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小さな腕輪
第二章

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「昨日のお礼をしてやるぜ」
「昨日はよくもやってくれたな」
「折角あの娘と遊ぼうと思ってたのにな」
「居酒屋で酌でもさせてな」
「叩きのめされた仕返しか」
 ティンは彼等の狙いをすぐに察して述べた。
「そうか」
「そういうことだよ」
「今度はそうは上手くいかないからな」
「親分にも来てもらったしな」
「覚悟しろよ」
「おう、こいつ等か」
 フランケンの大男が来た、フランケンという大柄な種族の中でも特に大きい。
「おめえ等を可愛がってくれたのは」
「そうですよ」
「いきなり女の子の前に出て来てです」
「それで、です」
「俺達をぶちのめしてくれたんですよ」
「そいつは許せねえな、ここは覚悟しろよ」
 大男は子分達に応えつつだった、そのうえで。
 二人に子分達と共に襲い掛かったがティンはというと。
 槍を手にしたダーガーにこう言った。
「あっ、ここはな」
「君一人でか」
「ええから」 
 それでと言うのだった。
「ここはな」
「君の術使うか」
「青魔術師のな」
 こう言って実際にだった、ティンは青魔術師の術である獣の術をならず者達が死なない程度に使って一瞬で倒した、そうして警察に連絡してからだった。
 彼等を連行させて冒険を再開した、すると次の日は。
 今度は目の前にオオハリネズミが出て来た、道中モンスターも多く出たが今度はそれでオオハリネズミはティンに言ってきた。
「お前さん青魔術師だな」
「わかるんやな」
「おおよそな」
 こう彼に言うのだった。
「雰囲気で」
「青魔術師にも雰囲気があるか」
「わしにはわかる、それでな」
「何かあったんか」
「実はわしは困っておる」
 オオハリネズミ、象の様な巨体のそれが道を塞いで言うのだった。
「左の後ろ足の裏に棘が刺さってな」
「痛くてか」
「歩けなくなった」
「だからその棘を抜いて欲しいか」
「そっちの木の精の兄さんは神官か」
 オオハリネズミはダーガーも見て言った。
「そうだな」
「その通りや」
 ダーガーも否定せずに答えた。
「私は神官や」
「そうじゃな、神官さんよりもな」
「青魔術師は獣の術を使う」
 ティンはこのことから話した。
「それだけに獣のことを知っている」
「だからお前さんに頼みたいんだよ」
「足の裏の棘を抜いて欲しいから」
「わしでは抜けん」
「前足ではな」
「自分でやろうとしたが無理だった」
 それでというのだ。
「頼みたいが」
「わかったわ」
 それならとだ、ティンは頷いた。そうしてだった。
 すぐにオオハリネズミの左の後ろ足を見てそこに棘があるのを見てだった、それを抜いた。そして回復の術を使って手当てをしてから相手に話した。
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