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星河の覇皇
第七十部第三章 作戦発動その二

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「それならばだ」
「交流を深めるべきですか」
「相互理解をですか」
「連合軍同士として」
「そうあるべきですか」
「彼等は連合市民ではないというが」
 だから差別しているというのだ、連合市民と難民の問題は実は連合においては根深い差別の問題でもあるのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「同じ連合軍であるのならですね」
「対立はすべきでない」
「むしろ融和すべき」
「そう言われますか」
「その通りだ、だからだ」
 この考えからというのだ。
「義勇軍との交流を深めていくべきだ」
「これを機会に」
「そうあるべきですね」
「だからそれはいい」
 是非にという言葉だった。
「むしろ積極的にだ」
「交流を深めてですね」
「親睦も深めていく」
「だからですね」
「この際ですか」
「自由な時間を利用して」
「そのうえで交流も深めていきますか」 
 幕僚達はいい意味でも悪い意味でも連合市民そして連合軍人のモラルを順守するリバーグのその性格がここではいい方向に動いたと思った。
 そしてそのうえでだ、こう言ったのだった。
「バーベキュー等を出して」
「酒も飲み歌を歌い」
「そうしつつですね」
「親睦も深めていく」
「そうしていきますか」
「共に肩を並べて戦うのだ」
 それならばというのだ。
「お互いをよく知らないとな」
「やっていけないですね」
「だからこそですね」
「そうした場も持ちますか」
「そうしますか」
「そう考えているが」
 リバーグは考える目で幕僚達に話した。
「君達はどう思うか」
「そうですね、悪いことではないですね」
「むしろいいです」
 会議の円卓に座っている幕僚達は次々にリバーグに答えた。
「そうしたことは」
「酒が飲めるので将兵達も喜びますし」
 即ち彼等自身もというのだ。
「いいと思います」
「そしてです」
「相互に理解を深め」
「仲がよくなるに越したことはありません」
「我々もそう考えます」
 彼等にしてもというのだ、だが。
 ここでだ、幕僚達はリバーグにこうも言った。
「しかしです」
「彼等はサjハラからの難民です」
「サハラの人間です」
「ですから注意は必要です」
「そうしなければいけない部分があります」
「例えば豚肉だな」
 リバーグはすぐにだ、幕僚達にこの肉を出した。
「連合のムスリムはまだ食べられるが」
「アッラーに謝罪し」
「そのうえで、です」
「後ろめたくはありますが」
 ムスリムの幕僚が言う、見れば中将の軍服を着ている。浅黒い肌に金髪と灰色の瞳が絶妙な整いを見せている。
「しかしです」
「食べられはするな」
「はい」
 確かにというのだ。
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