暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第72話:Falling in love
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好きな人って誰なの?私に教えてくれる?」

ルインが好奇心で目を輝かせながら、ディザイアの顔を見上げてくる。

「そ、それは……」

こんなに近くで彼女の顔を見たのは初めてだったので、ディザイアは動揺する。

「わ、私の好きな人は……」

「うんうん、誰なの?」

目の前にいるあなたですと、彼は言おうとしたが…。

「……黙秘させて頂きます」

恥ずかしくて土壇場で言えなかった。

「え〜?」

ルインは頬を膨らませて不満そうに怒ってみせる。

「す、すみません………」

困った顔をするディザイアがおかしいのか、ルインはクスリと笑う。

「まあいいや。話してくれる気になったら教えてね?楽しみにしてるからね!!」

「……はい。(ルインさん、すみません。今はまだ言えません。もっと強くなったら…あなたの隣に立てるようになったらその時は必ず言います。ルインさん、私はあなたを愛しています…と。)では、私はそろそろ戻ります。ルイン副隊長も頑張ってください」

「ありがとう。君もあまり無茶はしないでね?ゼロみたいに後先考えずの無鉄砲じゃないから大丈夫とは思うけどね」

「はい」

彼はルインの言葉に柔らかく笑うと、身を翻す。

「」これからも頑張ってね、ディザイア」

肩越しに見ると、ルインが笑顔で見送っている。

それに応えるように会釈して、部屋から出て行った。

「(見ていてください、ルインさん。私はあなたを必ず守れるくらいに強くなってみせます。そしてあなたが幸せに暮らせる世界を築いてみせます)」

ディザイアはサーベルを握り締め、心に固く誓った。

全ては愛する人のために。
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