暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第70話:Peace Time
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博士、ドップラー博士。確かに有害な物は何も入ってはいませんけど味が酷いです。ルインに至ってはあまりの酷い味に痙攣を起こしてますよ…)」

「いかん!!ルインの動力炉が停止しかけている!!」

「ゼロ隊長もヤバイぞ!!早くメンテナンスルームに運ぶんだ!!」

パーティーは大騒ぎになるが、みんなの表情はとても明るい物である。

「ん?」

ふと、エックスが向こうを見遣ると、会場の隅で軽く摘まんでいるビートブードの姿があった。

スイーツ類を沢山食べて満足したのか眠ってしまったソニアを抱きながらビートブードに近付いた。

「ビートブード」

「あ、エックス……隊長……」

「君も来ていたんだな」

「ええ、ケイン博士にワームの破片も取り除いてもらったので…」

それだけ言うとビートブードは少しの沈黙の後、エックスに頭を下げた。

「ビートブード?」

「エックス隊長、ゼロ隊長にもですが、改めて謝罪します。本当にすいませんでした。ワームによって抑え込んでいた気持ちが表面化して、俺はゼロ隊長に…本当に頭では分かってたんです。ゼロ隊長は正しいことをしたって、ゼロ隊長の電子頭脳に兄貴の人格プログラムをインプットしたってそれは兄貴じゃないって。でもそれでも…俺にとっては…たった1人の兄貴で…!!」

「分かっているよビートブード。君の気持ちは分かるよ、大切な人を失う悲しみは…俺にも痛い程分かるから…」

エックスも大切な者を失った経験があるからビートブードの気持ちは痛い程に分かる。

「エックス隊長…」

「ビートブード、君のしたことは確かに許されないことかもしれないけど、君は此処に戻ってきてくれた。俺はそれで充分嬉しいよ…これからもずっと今までと同じように君の力を平和のために役立ててくれ。それが君の上司として君に与える罰だ」

「っ!!」

エックスの温情にビートブードは深く頭を下げる。

ビートブードはエックスの部下として自分の力を最大限に使うと決意するのであった。
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