悪意の牙、最悪の謀 (後)
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ばどこから漏れる? ――決まってる、倒した魔神霊そのものからだ。死徒のように殺しても死なない……或いは倒しても通常の手段では殺せない特性を持ち、殺した後に復活されたか。
ないとは言えない。殺しても別の場所で復活するだけというのは魔術世界では充分有り得る現象である。つまり魔神柱は不死である可能性が浮上するのだ。そしてカルデアとの通信が途絶えたという事は、カルデアが攻撃されている可能性も考えられる。カルデアの者が、カルデアに退去する際に逆探知されて座標が割れたかもしれない。
しかしカルデアは今、特異な力場に守られ、冠位魔術師の英霊でも座標の特定は不可能に近いらしい。簡単に座標の逆探知など出来るものなのか。
「……いや、待て」
さぁ、と顔から血の気が引く。
「不死……魔神柱……そうか、そういう事か!?」
譫言のように呟きながら思考と記憶を纏め、全てを悟った士郎は、聳え立つ錨を見上げるようにして叫んだ。
「――レフ・ライノール! お前かッッッ!」
カルデアに安置されているその死体。逆探知は出来ずとも、その遺体を利用する事は叶うかもしれない。痛恨の失策に気づいた士郎の叫びを嘲るように、彼らを脅かす最悪の敵が鎌首をもたげる。
最悪の策謀は、此処に成った。アルケイデスの霊基に打ち込まれた錨が、彼らの前に立ち塞がったのだ。
――魔神霊、顕現。
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