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人理を守れ、エミヤさん!
「封鎖戦域クイーンアンズ・リベンジ」
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するのに不足はない。星の聖剣は無理な体勢で放たれた、魔大剣を用いての『射殺す百頭』を呑み込み、魔大剣に亀裂を刻んで――
 続く第二波は漆黒の究極斬撃。神気を暴発させた戦神の軍帯による『壊れた幻想』と、咄嗟に召喚したケリュネイアの牝鹿を楯にして凌ぐも余波で全身が焼け爛れ――

 トドメとばかりに迫った魔槍は、魔大剣の真名を解放した上での『壊れた幻想』で無理矢理に相殺する。

「グ、」
「しぶてぇ野郎だ、あれだけやってまだ生きてやがる……!」

 右腕は断ち切られ、全身は見るも無惨な姿となっている。もはや生きているのが不思議なほどの重態だ。クー・フーリンが慄然と言った直後、アルケイデスは即座に船の甲板を蹴る。
 クー・フーリンが張り、玉藻の前が強化した防壁は、三連した宝具の鬩ぎ合いによって崩壊していたのだ。追撃せんとアルトリアとオルタが駆けるのを、アルケイデスは裂帛の咆哮を放って阻止する。

 水を操る第五試練の理は尽きる寸前。されど彼を支える膨大極まる魔力が不可能を可能とした。
 水柱が上がり、それがアルケイデスを呑み込んだのだ。あっという間に死地より逃れていくアルケイデスは、己を下したのがサーヴァントではなく、そのマスターである事を認識していた。

 敗北した。

 言い訳の余地なく、完膚なきまでに負けた。

 自分が。ただの人間に敗れた。

 アルケイデスは、武人としての血が騒ぐのを抑えながらも、去り際に士郎を見据える。 
 無限に等しい厭忌の()言が、士郎の耳朶にこびりついた。

「狂い哭け――」

 怨嗟に侵された悍ましい頌辞は、紛れもなく己を撃退した男を呪って(讃えて)いた。

「――貴様の末路は英雄だ」







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