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星河の覇皇
第七十部第二章 同士討ちその九
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「おそらく彼等と遭遇しても」
「戦いにはならない」
「棲み分けが出来る」
「そうなるのですね」
「そうだと思います、しかしそれはまだ先ですね」
 今すぐではないというのだ。
「今の外縁部にもそうした知的生命体は存在していませんし」
「では、ですね」
「その心配は今はなく」
「内政に専念ですね」
「その時期ですね」
「そう思います、では作戦の次の段階にかかりましょう」
 こう言ってだ、そしてだった。
 八条は作戦のことに話を戻した、軍人達は外縁部の全てのコミュニティと各犯罪組織の現状を八条に報告した。
 その話を聞いてだ、八条は静かな声で言った。
「ではこのままですね」
「作戦開始予定時間までです」
「外縁部での情報操作及び工作を続けていきます」
「そしてコミュニティを組み込み」
「犯罪組織は弱体化させていきます」
「それでお願いします、そして」
 八条はさらに言った。
「義勇軍ですが」
「彼等が何か」
「ご懸念がありますか」
「エウロパ戦役とは状況が違いますが」
 しかしという言葉だった。
「やはり損害はです」
「出来るだけ、ですか」
「少なく」
「そうあるべきですね」
「損害を軽微にですか」
「確かに義勇軍は危険な場所に赴きます」
 連合軍の戦術ではそうなっている、まず義勇軍が正規軍より先に戦場に出て戦い危険な任務も受け持つのだ。
 しかしだ、それでもというのだ。
「ですが彼等も連合市民ではないですが」
「人間である」
「だからですか」
「出来るだけ損害は少ない方がいい」
「そう言われるのですね」
「そうです」
 その通りという返事だった。
「彼等は後に連合市民になるケースも多いです」
「市民権を獲得し」
「そのうえで」
「その彼等の損害が多いことはです」
「政治的にもですか」
「好ましいことではありませんか」
「はい」
 その通りという返事だった。
「先のエウロパ戦役では損害が多過ぎました」
「義勇軍全体の九パーセントでしたね」
「そして作戦に参加した戦力の損害の九割です」
「相当に多かったですね」
「実際に」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「今度の作戦はです」
「出来るだけ工作で犯罪組織を弱める」
「そして彼等の不意も衝き」
 正面から戦う損害の出る戦術ではなく、というのだ。
「損害を最低限に抑える」
「そうしていきますね」
「例え連合市民の軍でないとしても」
「無茶はさせませんか」
「その為に今回は工作を多用しています」
 そのこともありというのだ。
「ですから」
「では義勇軍も」
「損害は少ない様にですね」
「していきましょう」
 こう軍人達に言った。
「是非」
「結構です」
「義勇軍については
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