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魔術師ルー&ヴィー
第二章
Z
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じゃが、何故この聖玉がこの様な場所にあったのか…とな。」
「そのゾンネンクラールの皇子が持ってきたのではないのか?」
 シュトゥフはそう事もなげに言うが、先程処分した書物の中には大戦後の物も多く散見された。それに、この聖玉が封じられていた扉はまだ新しく、対戦前に皇子が持ってきたとは考えられない。
 そして何より、皇子がこのゲシェンクへ渡ったことは一度もないはずなのである。
「いや…誰かが意図的にここへ持ち込み…魔晶石の代わりに仕掛けたと考えるべきか。皇子はゲシェンクに来たことがないのだからな。」
「何故そう言い切れるのですか?」
 ヴィルベルトが不思議そうに問い掛ける。少なからず彼女と皇子のことを知ってはいても、やはり断言するマルクアーンに妙な引っ掛かりを覚えたのだ。
「もう話して良い頃なんじゃねぇのか?」
 未だ寝そべっているルーファスが、少しばかり寂し気な表情を見せて言うと、そんなルーファスをマルクアーンもまた寂し気に見返した。
「そうじゃのぅ…少し、昔語りをしようか…。」
 そう言ってマルクアーンは、瞳を閉じて静かに語り出したのであった。




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