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レーヴァティン
第九十二話 堺からその十二
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「政を行い兵法を学びな」
「術もね」
「学ばなくてはらない」
 だからだというのだ。
「そう思うとな」
「本当にやることが多いね」
「もっと言えばやるべきことがだ」
 それがというのだ。
「多い」
「それこそ寝る暇がないかね」
「それ位はある、どうも俺達はこの世界ではな」
「術の覚えがいいね」
「この世界に最初からいる者達よりも遥かにな」
「だったらだね」
「貪欲にだ」
 そう言っていいまでにというのだ。
「覚えていくべきだ」
「そういうことだね」
「すぐに強くなれるならだ」
「それを生かしていかない手はないね」
「そうだ、生かせる手は生かす」
 それこそ全てをというのだ。
「そのうえでだ」
「強くなってね」
「この世界での目的を果たすべきだ」
「そういうことになるね」
「だからだ、いいな」
「あたし達はだね」
「兵法も術もだ」
 そうしたものを全てというのだ。
「身に着けていく、政にしてもな」
「何も経験がなくてもね」
「学びだ」
「そして経験もしてね」
「強くなっていくべきでだ、ではな」
「これからだね」
「その様にしてやっていくぞ」
「それじゃあね」
「ではな」
 こうしたことを話してだった、英雄も他の者達も政を行う傍ら兵法も術も学んでいった。そのうえで大坂と堺及びその周辺それに岸和田も治めていってだった。
 そしてだ、徐々に足場が整ってだった。
 それからだ、英雄は魔物や賊達の掃討も進めつつ大坂城の本丸に遂に建った漆黒の天守閣を見て言った。
「とりあえず建ったな」
「やっぱりこれがないとよ」
 天守閣がとだ、香織が応えた。
「大坂城じゃないとよ」
「あの天守閣がだな」
「黒い壁に黄金の屋根」
「今の俺達の知っている天守閣ではないがな」
「あれはまた違うとよ」
 英雄達が起きた世界の大阪城の天守閣はというのだ。
「あれはあれとよ」
「三代目でな」
「初代とは違うったい」
 こう英雄に言うのだった。
「太閤さんの天守閣とか」
「そういうことだな」
「あれはたい」
 また言う香織だった。
「あくまで三代目とよ」
「俺達がこの目で見る天守閣はな」
「そうとよ、それで太閤さんの大坂城ば築くなら」
「それならだな」
「あの天守閣たい」
 これしかないというのだ。
「まさに」
「そういうことだな」
「そうたい」
「この天守閣でないとか」
「天下人ではないたい、つまり」
「この世界を救うにはか」
「相応しくないとよ」
 こうまで言うのだった。
「だからたい」
「あの天守閣を建ててか」
「よかったとよ、銭はかかったたいが」
 それでもというのだ。
「その介はたい」
「あったか」
「そうたい、うち等の象徴にもなると
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