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夢幻水滸伝
第八十三話 江戸っ子その八

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「何度も喧嘩になるのもね」
「当たり前か」
「そうだろうね、けれど色々わかったね」
「ああ、この世界の江戸のことがな」
「ここの主は今は星の人だね」
「天の星のな」
「あたし達より先に来てね」
 そうしてというのだ。
「それであっという間にその強さを知られて」
「その時の江戸城の主と会ってな」
「詳しく話をして器を知られてっていうね」
「主の座を譲られたんだな」
「そうだね、天の星ってことは」
「おいらと同じだな」
 幸田は自分も胆吸いを飲みつつ述べた。
「そうなるな」
「そうだね、じゃあね」
「おう、それじゃあだな」
「江戸城に行くかい」
「そうするか、そしてな」
 そのうえでとだ、また言った幸田だった。
「そいつと話をしてな」
「それからだね」
「主になるか」
「吉君としては江戸の主になりたいんだね」
「おうよ、そして江戸からでい」
 幸田は麻友の言葉に応えて笑って話した。
「日本、そして世界をな」
「統一してだね」
「救うんだよ、おいらでっかいことをするのが好きだからな」
「それでだね」
「絶対にやってやるさ」
「まずは江戸の主になる」
「そこからだ、しかしな」
 幸田は麻友にあらためて言った。
「まだその天の星のことがわかってないんだよな」
「そうだね、その人が今の江戸を治めてるのはわかったけれどね」
「江戸どころか武蔵一国をな」
「相模や伊豆にも兵を進めてね」
「結構な器だな、しかしな」
「しかし?」
「戦は強いみたいだけれどな」
 それでもとだ、幸田は言うのだった。
「どうもな」
「政がだね」
「江戸の賑わいは相当だけれどな」
 その顔を微妙なものにさせての言葉だった。
「ならず者は多いし粗削りな感じだな」
「そういえば川の堤もね」
「今一つ少ないな」
「江戸はそっちも凄かったっていうけれどね」
 江戸は治水もかなりのものだった、江戸幕府が長い間江戸の街を整えることに腐心していたことの一環であったのだ。
「けれどな」
「それでもだね」
「この江戸はな」
「今一つ粗削りでだね」
「政がちょっと、って感じだな」
「そこが問題なんだね」
「まあ星の奴が一人でな」
 それでというのだ。
「そのうえでな」
「その人が政は少しでも落ちるとだね」
「こうなるのかね」
「じゃあ吉君ならだね」
「神具の力のせいかわかるんだよ」
「何処をどう治めればいいかだね」
「おうよ、それでな」 
 そのわかることから言うというのだ。
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