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星河の覇皇
第七十部第一章 外縁部の賊その四十

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「戦争はないですから」
「だからそうした考えになるか」
「そうなんです」
「成程な」
「むしろ戦争第一というのは」
「こっちでは普通じゃないか」
「そうですね」
 実際にとだ、親父は曹長に答えた。
「こっちじゃ」
「戦争がないと軍隊も違うか」
「何を求められるか」
「それが違うか」
「旦那はそうしたことは」
「考えたことがなかった」
 こう親父に答えた。
「ずっとな」
「軍隊は戦争に勝つ」
「それが何といってもな」
 至上命題というのだ。
「そう考えていたからな」
「そうですか」
「戦争に負けたらな」
 サハラ、この地域ではだ。
「もう終わりだ」
「国がなくなりますね」
「滅亡するからな」
「だからですよね」
「戦争は勝ってこそでな」
「軍隊もですね」
「素行が悪くてもいいんだ」
 究極的に言えばだ、確かに軍規軍律がいいことに越したことがないがまずはそちらが優先されるというのである。
「それでもな」
「勝てばそれで、ですね」
「許されるからな」
 サハラではだ。
「一般市民を巻き添えにするとかな」
「そうしたこともですか」
「サハラではあったからな」
 こうしたことも結構あり人口は思うように増えていない。
「もうな」
「それで、ですか」
「俺もそう考えたことはなかった」
 戦争に勝つことを第一に考えない軍隊もあるということにだ。
「ずっとな」
「連合じゃそうなんですよ」
「そうした考えもあるんだな」
「そうです、まあそういう国で軍隊なんで」
「戦闘は弱いか」
「はい、ただイベントとかはよくやってくれて」
 市民との交流を深める為にだ。
「愛されてますね」
「愛される軍隊か」
「だから弱くても評判はいいんですよ」
「成程な、そういえば俺達もな」
 曹長は義勇軍の立場から言った。
「イベントやるな」
「正規軍より多くなくても」
「そうしてるな」 
 こう言うのだった。
「どうにも」
「面倒ですか」
「サハラじゃ殆どなかった」
 曹長、彼のいた国のことだ。
「そうしたことはな」
「イベントがなくて」
「訓練訓練でな」
「戦争に勝つ為に」
「そして戦う」
「そうしたことばかりでしたか」
「本当にな」
 こう親父に話した。
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