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リビーおばさんのお話U
第一章

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               リビーおばさんのお話U
 リビーおばさんはこの時お仕事から帰ってきたばかりのご主人にこう言っていました。
「あなた最近煙草吸わないわね」
「ああ、止めたんだよ」
 ご主人はおばさんにすぐに答えました。
「もうね」
「そうなの」
「仕事の時もそうしているよ」
 ご主人はおばさんにまた答えました。
「いつもね」
「そうしてるの」
「いや、やっぱりね」
「やっぱりっていうと」
「煙草は身体によくないからね」
 何といってもというのです。
「前から君にも言われていたし同僚にもね」
「言われてなのね」
「止めたんだ、ただね」
「ただっていうと」
「いや、もう完全に吸わない様にしているけれど」
 それでもとです、ご主人はリビーおばさんに言うのでした。
「これが結構辛いんだよ」
「吸いたくなるのね」
「うん、結構いらいらしたりね」
「煙草の禁断症状ね」
「禁断症状と言うと怖いけれどね」
「吸いたくなってよね」
「いらいらしたりするんだ」
 実際にそうなっているというのです。
「無性にね」
「それは困ったことね」
「どうしたものかな」
「そうね、折角止めようと思って実行に移しているから」
 それならとです、リビーおばさんはご主人に言いました。
「これをいい機会にしてね」
「そうしてだね」
「止めるべきだと思うから」
「じゃあ君にいい考えがあるかな」
「こうした時は飴を舐めるといいっていうわ」
「飴なんだね」
「そう、お口が寂しいならね」
 煙草を吸わなくてです。
「それならよ」
「飴を舐めるといいんだ」
「それに飴は糖分が入ってるでしょ」
「糖分がだね」
「甘くて美味しいし」
 このこともあってというのです。
「それでよ」
「いらいらも解消してくれるんだね」
「ええ、そうなると思うから」 
 だからだというのです。
「ここはね」
「飴を舐めるといいんだね」
「そうしましょう、丁度いい飴があるわ」
 リビーおばさんはキッチンから小さな丸い飴が入った袋を出してきました、そうしてご主人にそれを差し出して言いました。
「これを舐めてね」
「それを一粒ずつ舐めて」
「そうしてね、煙草を吸いたいって思ったら」
 その時にというのです。
「舐めればいいわ」
「そうだね、じゃあこれからはね」
「飴を舐めてて」
「禁煙をしていくよ」
 ご主人もこう答えてです、早速飴を舐めはじめました。家族で晩ご飯を食べた後の一服の時も舐めて夜の間煙草を吸いたいと思えばです。
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