黒魔術-Dark Majic- /Part4 復活のシジルさん
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まった…!テファに気を取られた隙を突かれた。
クリスはなす術なく、悪魔の影へと吸い込まれてしまった。
「クリスーーーーーーー!」
サイトの叫びが、暗い夜空に響き渡る。
だが、悪夢はここで終わらなかった。
悪魔の影が、クリスを吸い込んだ瞬間…次第にその姿が色濃く染まっていき、実体となった。
古の時代より、人間が悪魔という概念で認識していた邪悪な魔物、『大魔獣ビシュメル』が復活した。
「くはははははは!やったぞ、ついに我は無敵の肉体と力を取り戻したぞ!」
完全復活を遂げたビシュメルは歓喜に震えた。ずっとこの姿と力が戻るのを待っていた。これから人間共に恐怖と絶望を与え、未来永劫蹂躙し尽くしてやる。
ビシュメルは体から雷をほとばしらせ、街のあらゆる場所に向けて放った。街の建物は粉々に吹き飛ばされていった。
ビシュメルの登場と破壊活動に、街の人たちは雪崩れるようにビシュメルとは反対側に逃げ惑っていく。
「な、なんなんですかあれ!?」
「怪獣…!?」
「町が…壊されていく…!」
ビシュメルのあまりの暴れっぷりと凶悪な姿に恐れ慄く。初めて見る光景に、恐怖を感じるしかなかった。
復活を遂げたビシュメルを見て、ビシュメルの近くのビルの屋上から見ていた少女がいた。
シュウとよく行動を共にし、彼の恋人を自称する少女、愛梨である。
「……」
普通なら、ビシュメルのおぞましい姿を見て逃げ惑うことだろう。だが彼女は、ビシュメルの出現を待ち望んでいたかのように喜びの笑みを浮かべていた。
「さあ、しっかり働いて頂戴ね。
『彼』を…あたしだけのものにするために」
彼女はあたかも自分の下僕に命じるように、ビシュメルを見つめながら呟いていた。
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