第三百四十二話 特別祭祀機動隊その七
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あらためてだ、可奈美は夜見と結芽を見て二人に言った。
「ただ、本当に」
「私達がここにいることは」
「嘘みたいっていうんだね」
「行方不明になられたって聞いて」
夜見に重点を置いての言葉だ。
「もうお会い出来ないかもって思っていましたから」
「私もあのままです」
夜見はあの時の戦いのことから可奈美に話した。
「一生を終える筈でした」
「本当に危なかったんですね」
「ですが」
それでもというのだ。
「秋山さんが来られて」
「黒衣の青年もだな」
その秋山が言ってきた。
「そうしてだったな」
「助けて頂きましたので」
秋山に応えつつだ、夜見は可奈美に話した。
「今ここにいます」
「そうですよね」
「あと少しで手遅れになるところだったそうです」
「というか普通死んでいたな」
秋山は語る夜見に述べた。
「黒衣の青年がいなければな」
「荒魂の力によって」
「ああ、そうなっていたな」
「やはりそうですか」
「あたしもそうよね」
結芽も言ってきた。
「こっちの世界じゃ誰も治せない病気だったから」
「木野さんだったからな、医者が」
彼女と戦った城戸の言葉だ、
「だからな」
「手術をしてもらえて」
「やばいところを全部取り除けたんだ」
「そうよね」
「けれどあんたもだぞ」
「あと少しで、よね」
「危なかったからな」
そうした状況だったというのだ。
「あのままあそこで倒れていたらな」
「死んでいたのね」
「体力も尽きてな」
「本当に危なかったのね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「あんただってな」
「ううん、そう思うと北岡さんがこっちの世界に来なかったら」
「私達とこうして一緒にいないのです」
「本当に死んでいたな」
エレンと薫も言ってきた。
「そう思うと運命だな」
「神様の導きなのですよ」
「だとすれば嬉しいわね、だってもう病気なんて気にしなくてね」
そのうえでとだ、結芽は笑って話した。
「思う存分戦えるんだから」
「いや、まだ暫くは無理だ」
真希が話した。
「君は」
「退院したてだから?」
「そうだ」
その通りだと言うのだった。
「まだまだ体力が回復していない」
「じゃあ今は」
「体力の回復だ」
これが第一だというのだ。
「君と夜見わね」
「やっぱりそうなるのね」
「それに専念してくれ」
「焦ることはありませんし」
寿々花も二人に穏やかな笑顔で話す。
「ゆっくりと。確実にです」
「体力の回復ね」
「それに専念したらいいのね」
「ええ、今は。やっと帰ってきた人達もいますし」
「私達のことだな」
姫和は寿々花のその言葉に応えた。
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