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星河の覇皇
第七十部第一章 外縁部の賊その二十七

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 彼等はその中でだ、こうしたことを聞いていた。ある空母の三等曹長がだ、若い兵士達にこう言っていた。
「出撃はまだだ」
「まだですか」
「配置に着きましたけれど」
「それはまだですか」
「まだその時じゃないですか」
「そうだ、その時まで休んでろ」
 こう言うのだった、艦内勤務であるので作業服に着替えている彼等に。
「英気を養え」
「いいもの食って運動して」
「じっくりと気を休めてですか」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「出撃の時になったらな」
 まさにだ、その時はというのだ。
「思いきり戦え、いいな」
「わかりました」
「じゃあ今は英気を養っています」
「そうしています」
「そうしろ、いいな」
 くれぐれもという口調での言葉だった。
「今はな」
「はい、わかりました」
「じゃあ今は遊んでます」
「それで戦いになったら」
「一気にいきます」
「俺達は絶対に最前線だからな」
 義勇軍である彼等はというのだ。
「気を抜くなよ」
「海賊にですね」
「テロリストにもですね」
「一気に突っ込んで倒す」
「そうしてやるんですね」
「火事場に飛び込むからな」
 そうした立場だからだというのだ、彼等は。
「その時気を張り過ぎてかえって駄目になるとかな」
「戦死するからですか」
「だからですね」
「今は英気を養う」
「そうしますか」
「ああ、そうしろ」
 是非にというのだ。
「いいな、出撃命令は下るからな」
「はい、わかりました」
「それならそうします」
「じゃあ出撃の時には」
「思いきりやります」
「そうしろ、だから今はな」
 英気を養う為に休めというのだ。
「今か今かって気を逸らせずにだ」
「わかりました」
「それならですね」
「じゃあ今は港の店に行ってきます」
「遊んできます」
「変な病気貰うなよ」
 三等曹長は笑ってこうも言った。
「いいな」
「そうですね、病気なんて貰ったら」
「後が大変だからですね」
「それで、ですね」
「ああ、死なないけれどな」
 今はワクチンがあるから助かるがだ。
「それでもな」
「あれは面倒ですからね」
「診察受けるだけでも」
「変な評判にもなりますし」
「禁物ですね」
「梅毒もエイズもな」
 そうした性病はというのだ。
「注意しろよ」
「変な店には行くな、ですね」
「というかモグリには手を出すなですね」
「普通の店は衛生管理もしているからな」
 通常のどうした営業をするか公に届け出をして風俗店として許可されている店はというのだ、様々なジャンルの店がある。
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