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星河の覇皇
第七十部第一章 外縁部の賊その二十三

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「情報を手に入れているでしょう」
「やはりそうか」
「我々はサハラには情報部を殆ど送り込んでいません」
 これが実情だ、連合はサハラには殆ど情報部の人間はおろか普通の軍人も外交官も送り込んでいない。
 その為だ、サハラについての情報はなのだ。
「ですからその情報は」
「どうしてもだな」
「あまり手に入りません」
 中央政府、各国政府共にだ。
「どうしてもです」
「しかしだな」
「はい、サハラの中ではどうか」 
 戦乱の中にあるこの地域はというと。
「特にこれから戦う相手に対しては」
「そういうことだな」
「はい、どうしてもです」
「スパイも大量に送り込むな」
「そしてその分です」
「情報もかなり収集している」
「ですから」
 ティムールはむしろ連合以上にというのだ。
「我々以上に知っているでしょう」
「潜水艦のこと以外にもな」
「ですから」
 それでというのだ。
「ティムールもです」
「潜水艦の建造をか」
「少なくとも独自ではじめるでしょう」
「そうなるか」
「そしてそれはです」
「サハラからだな」
「エウロパ、そしてマウリアとです」
 こうした国々もというのだ。
「潜水艦を知りです」
「自分達でもだな」
「開発をしていくでしょう」
「技術を盗んででも、だな」
「そうなるかと」
「そうか、しかし連合が開発を考え」 
 ここでだ、アッチャラーンはその目を鋭くさせて言った。
「ほぼ同時にだな」
「オムダーマンもですね」
「考えるとはな」
「偶然でしょうか」
「若しかするとだ」
「我々の計画を知ってですか」
「オムダーマンもかも知れないな」
 こう言うのだった。
「証拠はないがな」
「何処からか知ったのでしょうか」
「オムダーマンの軍人は連合にもいる」
 駐在武官という形で大使館等に詰めているのだ。
「ならばな」
「はい、目と耳の数が違います」
「それだけな」
「だから気付いたのでしょうか」
「そうかも知れないな」
「スパイならば」
「例え利害関係がなくともな」
 それでもというのだ、連合とオムダーマンでもだ。
「スパイにうろうろされては困る」
「その通りです」
 国家としてはだ、例えそれが友好国であっても他国のスパイが自国の中にいることは好ましくないことなのだ。
「それは」
「そうですね、では」
「スパイを取り締まるか」
「これまでエウロパのスパイだけをマークしていましたが」
「そのオムダーマンにもだな」
「ティムール、ひいてはです」
「マウリアにもだな」
 友好国のこの国にもというのだ。
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