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【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と神野区異変編
NO.095 始まりの終わり 終わりの始まり
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頑張っていこうな……」
「う、うぁ……ああっ!!」

それでついに出久は涙を止めることもせずにオールマイトに抱き着いて盛大に大声で泣き続けていた。

「君の、その泣き虫も治さないとな……」
「うわぁああああああーーーーんッ……」

その出久の泣き声は引子が迎えに来るまで続いていた。
取材陣たちもその一部始終の光景が見えていたために、このまだ16歳の少女によってたかって取材をするという気持ちに罪悪感を感じていたために、そしてそのまま泣き疲れて眠りについてしまった出久の事をオールマイトと引子が運んでいく光景をそっと道を開けて通して見送るしかできなかった。



オールマイトは引子とともに出久を連れてタクシーに乗って帰っている途中の事であった。

「奥さん……」
「は、はい!」

オールマイトに話しかけられて引子はそれで大変緊張をする。
オールマイトもそれを一応雰囲気で分かっていても言葉を続ける。

「きっと、これから娘さんは大変苦労な目に合うと思います。ですが、それでも見捨てずに見守ってやってください。私達も今回の件を戒めにして娘さんの事をしっかりと導き立派に巣立つまで見守っていきます」
「オールマイトさん……。はい。大事な一人娘を見捨てるほど私も腐っていません。だから出久のことはしっかりと守っていきます」
「それを聞けて安心しました。娘さんが目を覚ましましたらどうか声を掛けてあげてください。まだ情緒不安定ですから」
「わかりました……」

そして家に到着する三人。
オールマイトは最後まで出久の事を心配しながらも、引子に挨拶をしてその場を離れていった。
引子は出久を自室のベッドに横にしながら、

「出久ぅ……私はあなたの事が心配だよ。
誘拐されたと聞いた時には心臓が止まりそうになったし、食事も喉を通らなかった。
そしてテレビで見ていたけど、出久がとても立派な事をしていたのも知っているから……それでも、私の大事な子供なんだから……。
だから、どうか遠くに行っちゃやだよ……?」

そう言って引子は眠っている出久の頬を撫でた。
出久はそれでもいまだに深い眠りについているのであった。



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