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人理を守れ、エミヤさん!
エミヤだよ!全員集合!
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れは」

 思わず呻く。

「フォウさん、可愛い……」
「……フォウくん? うん、可愛い」
「ふぉーう!?」
「ドフォーウ!」

 桜が自発的に喋った事に、思わずフォウ鳴きしてしまう。するとフォウは真似をするの禁止とばかりに顔面に体当たりしてきた。
 ……少し痛い。正直すまなかった。
 しかし無垢な少女と幼女に誉められ悪い気はしなかったのか、不機嫌そうだったのが得意気になっていた。現金な奴……。

「士郎さん……わたし、しちゅーが、食べたいです」
「お。了解。よく言えたな」
「……」

 ワシャワシャと頭を撫でてやると、桜はきょとんとした。その自己主張する箇所を育てていかねばならない。いずれは元祖桜の如くに――な、なんだ。今寒気が……? や、やめよう。この桜は普通にのびのびと育てる方向で行く。
 しかしシチューか。ビーフシチューにしよう。よぉし戦いだ、得意だから全力で行こうか! といつぞやのアルトリアの過去を夢で見た時、見る事の出来た花の魔術師の台詞をもじる。

 料理とは、戦う事と、見つけたり。衛宮士郎、心の一句。季語なし。

 さて、厨房である。アルトリア達は凄まじく喰うから、あの二人で二十人分は作らねばならないだろう。二人に下準備を手伝ってもらいながら、料理の手順とマナーを伝えていく。
 本当ならフォウは立ち入り禁止だが、今回だけは大目に見る。桜にはフォウが常についているといった刷り込みがしたい。何故なら桜は本気で危なっかしいからだ。
 デミ・サーヴァントになるとは、この海の衛宮と言われた俺の目でも見抜けなかった。なってしまったものは仕方ないが、なるべく誰かがついていないといけない。その点、フォウはしっかりしてるから付き人……付き獣? にしていたら安心だ。

 流石に作る量が多いから時間が掛かる。マシュが桜と共に席を外した。アーチャーの奴の再召喚に立ち会うらしい。
 これは俺の事情について聞きに行く気だなと察するも、好きにさせた。暫く一人で調理する。
 そういえば、桜はマシュに連れていかれてしまったが、桜と厨房に立ったのはいつ以来だろう。俺はあの時から十歳年を食い、桜は十歳若返っているが……懐かしい。昔、桜は中学生だった時、桜に料理を教えていた頃の記憶が甦る。望郷の念を抱いてしまった。

 そうしてしんみりしていると、マシュが桜と戻ってきた。希望を見つけたみたいな、しかしその難題に悩んでいるような、悔しそうな感じがする。
 何も言わずに髪を撫でてやり、何事もなかったように料理の教示を再開した。
 ビーフシチューだけ、というのは勿体ない。他にも色々な物を作る。初心者には難しいものもあるが、一度で全部を覚える必要はない。

 戦い(料理)をはじめて、何時間かが経った後。来客が来た。アーチ
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