暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と神野区異変編
NO.092 残り火のワン・フォー・オール
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話



取材のヘリに乗っているリポーターがその光景を見て、己の目を疑っていた。
だが、それでも伝えるものとして真実を伝えないといけない。
いま、目の前で起きている衝撃な光景を。

『み、みなさん……ご覧になっているでしょうか? あの、オールマイトが……姿がしぼんでしまっています!……私自身信じられませんが……これが真実の光景です……。あれは、果たして本物のオールマイトなのか……』

と、疑いもしないのにそんな事を呟いているのはもう仕事柄故だろう。
喋る言葉がところどころ震えている。
それは、映像を見ていた視聴者達も同じ心境であろう。
どこかしこで『偽物……?』や『あのガイコツ誰だ?』などと、オールマイトの真実の姿を知らなかった者たちからすれば当然の思いであった。
しかし、知っているもの……特に出久は違った。
出久の周りで驚愕の表情でその光景を見ていたクラスメイト達をよそに、

「そ、んな……オールマイトの、ひみつが……」

まるで放心しているかのようにそう独り言を呟く。
爆豪はそんな出久の言葉を聞き逃さなかったために、

「(出久……てめぇ、そんな事まで抱え込んでいたのか!?)」

出久の今までの学校でのオールマイトとの不審な行動を思い出していき、どれだけ胸に隠し事を抱えていたんだと今更になって爆豪は、出久の事を理解できていなかったことに悔しく思う。
だが、それでもこれからは俺が、俺達が出久を支えていかないといけないと、今はそう思うだけでオールマイトの映っている映像を凝視した。






「いい格好になったじゃないか、オールマイト。そんな姿を世間に晒してしまって今の思いはどうだい……?」
「…………」

オール・フォー・ワンはそう言ってオールマイトの事を笑いながらも話しかける。
しかし、それでもオールマイトの目は死んでいなかった。
トゥルーフォームに戻ってしまっていても、その眼光はいまだに衰えずにオール・フォー・ワンの事を睨みつけている。

「…………たとえ、身体が朽ちて衰えようとも……そして世間にその姿が晒されようとも……それでも私の心は依然『平和の象徴』だ! 貴様が奪ったと思っているだろうが、私はそれでもこの姿を恐れない! いずれはバレる……それが今来ただけの事だ!! 一欠けらでも奪えると思わない事だ!!」
「そうか……くそっ……即興の出し物では君の思いは奪えないという事か……惜しいな。僕の記憶の欠落がなければもっと君の事を苦しめれただろうに、もう出すものがないじゃないか……」

オール・フォー・ワンはそれでため息を吐く。
そして再度視線をオールマイトに向ける。
その視線は先ほどから何度もぶれていた。
目を過去に潰されてしまったために『赤外線』という個性でなんとか感じ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ