暁 〜小説投稿サイト〜
人理を守れ、エミヤさん!
未遠川の穹
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
カーを取り込み、輝舟の飛行を不可とした刹那、乗り捨てられた戦闘機が宝具化が解除される前に、全兵装ごと炸裂する。
 凄まじい爆破だ。それは輝舟を破壊し、英雄王にも届いた。しかしマシュと、マシュに味方と認識されているバーサーカーには一つとして傷はつかない。それどころかバーサーカーには更なる恩恵がある。幸運を除いた全ステータスの強化が加わった。――それに、彼は円卓の騎士である。その恩恵は絶大である。

『英ユウ王、カク悟――ッッッ!!』

 咆哮と共に抜刀されるは湖の騎士の最強宝具、無毀なる湖光。全ステータスが更に向上し、日輪を戴く太陽の騎士に比肩する。白亜の城は彼の狂化をも祓い、言語野が復活した。狂化の恩恵だけを受け、理性を回復させた湖の騎士は魔剣の真名を解放する。

『「縛鎖全断・過重湖光(アロンダイト・オーバーロード)」――!』

 無毀なる湖光に過負荷を与え、籠められた魔力を漏出させ攻撃に転用する剣技。光の斬撃となる魔力を敢えて放出せず、対象を斬りつけた際に解放する。
 ――英雄王は崩れ去った輝舟の玉座から動かなかった。最強の乖離剣を抜こうともしない。薄い笑みを浮かべたまま、超越者は嘯く。

「健闘、見事であると言っておこうか。貴様らの奮闘に免じ、此処等で退いてやろう。――どのみち我の目的は果たされた」

 魔剣が黄金の鎧を一撃で断つ。膨大な魔力は切断面から溢れ、その青い光はまさに湖の様――白亜の城は解れ、消える。
 同時にサー・ランスロットもバーサーカーへと還る。マシュもまた落下していくも、それは飛行魔術によって浮遊していたロマニに抱き止められ――

「……」
「英雄王、撃破しましたっ! ……ドクター?」

 ――なぜ、英雄王を今ので倒せた?
 もっと出来るだろう。マスターとの契約を破った後、令呪は回収しているはず。あれはそういった王だ。その令呪を使って強制転移で逃れる事も出来たはずだ。
 険しい顔で、ロマニは英雄王の消えた穹を見上げる。しかし全知全能ではない、自らを制限した状態の自分では見抜けなかった。人間ロマニ・アーキマンの頭脳では、英雄王が何を視たのかが……。

「なんでもないさ。大戦果だったね、マシュ」

 マシュの頭を撫でてやりながら、霊体化して消えたバーサーカーを尻目に地表へ降り立った。








[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ