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レーヴァティン
第九十話 ならず者達その五
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「思えばなかったからな」
「だからでありますか」
「食うか」
 河豚をというのだ。
「そうするか」
「この世界なら当たっても死なないでござる」
 智がこのことを話した。
「毒消しの薬に術にとあるでござるからな」
「若し当たってもな」
「死なないでござる」
「そして死んでもな」
「蘇生出来るでござる」
 やはり薬や術で出来る、この世界では人はそれぞれの寿命まで生きることが出来るのだ。流石に寿命になると死ぬ。尚その寿命は人それぞれで人は何時死ぬかわからないのは英雄達が起きている世界と同じだ。
「だからでござるよ」
「河豚を食ってもな」
「毒にあたっても安心出来るでござる」
「そのことは大きいな」
「しかもだ」
 今度は水に詳しい幸正が言ってきた。
「この世界の大坂にもしっかりとした店が多い」
「河豚のことがわかっている料理人がいる店がだな」
「多い、だからな」
「そもそも安心して食えるな」
「そうだ」
 その河豚をというのだ。
「だからだ」
「そうした店に行ってだな」
「安心して食うといい」
「河豚はいいねえ」
 桜子も河豚について明るく笑って言う。
「本当にね」
「美味いからな」
「最高にね、鍋にしてもいいし」
 桜子はまずはこの料理の仕方を話した。
「お刺身も唐揚げもいいよ」
「つまり何にしても美味い」
「それが河豚だからね」
「だからだ、今日はだ」
「皆でだね」
「河豚を食いに行くぞ」
 そうするというのだ。
「いいな」
「よし、それじゃあ皆でね」
「これから食いに行く」
 こう言ってだ、英雄は実際に仲間達と一緒に河豚を食いに大坂でも有名な河豚を食う店に言った。そうしてだった。
 全員で大きな卓に座ってだ、鍋に刺身。唐揚げ等河豚料理を一通り頼み勿論酒も頼んだ。そうしてだった。
 全員で河豚を食べはじめた、ここで英雄は河豚の刺身この世界の大坂でもてっさと呼ばれているそれが奇麗に置かれている皿を見て言った。
「いい皿だな」
「そうですね」 
 謙二もその皿を見て言った。
「これはまた」
「見事な白磁でな」
「中央に赤絵があって」
「その赤絵が実にいい」
「全くですね」
「かなりの価値がある」
 そうした陶器だというのだ。
「それに相応しい河豚で捌いた料理人ということだな」
「左様です」
 てっさを持ってきた店の者もこう答えた。
「当店は河豚についてはです」
「絶対の自信があるか」
「素材も腕も」
 その両方がというのだ。
「そして愛想も」
「それもか」
「絶対の自信がありますので」
「皿もか」
「この通りです」
 まさにというのだ。
「かなりのものです」
「そうだな、ではな」
「これからですね」
「楽しませてもらう」
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