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許されない罪、救われる心
87部分:第八話 生徒集会その三

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第八話 生徒集会その三

「あの娘達を。謝るべきはね」
「謝る」
「謝るって・・・・・・」
 皐月の言葉は四人の心にそのまま突き刺さっていた。そうしてである。彼女達は教室に入るとまずはトイレに入ってだ。そこで話すのだった。
「謝ればいいのかしら」
「それで」
 まずは文月と霜月が言った。
「今のこの状況が終わるの?」
「こんな状況が」
「っていうかもう沢山だよ」
 長月は泣きそうな顔になっている。
「こんなこともう終わって欲しいよ」
「そうよね、終わればね」
「楽になりたいから」
 文月と霜月は長月のその言葉に応えた。
「とりあえず謝れば」
「それで助かるなら」
「うん、そうよね」
 如月も三人の話に頷いた。
「とりあえず謝ろう」
「もうそれしかねえよ」
 長月はまた泣きそうな顔になった。
「こんなこと続いたらうち等もう」
「あいつに謝るのは癪だけれどね」
「それでもね」
「仕方ねえよ」
 三人はこうした本音も喋ってしまった。誰もいないと思っていたからだ。
「こんなこと続いたら」
「とにかく謝ろう」
 如月はこれを結論とした。
「謝ればもうそれで終わりだから」
「それで何処で謝るの?」
 文月は場所を問題にした。
「問題はそれだけれど」
「クラスなんてどうだよ」
 長月が言った。
「そこでな。ホームルームの時間で」
「それでも駄目じゃないかしら」
 霜月が難しい顔でこう述べた。
「クラスじゃ」
「えっ、何でだよ」
「どうして?」
「だって。もうクラスだけの話じゃなくなってるから」
 だからだというのである。
「学校全体に拡がってるじゃない。他の学校の子達だって言ってくるし」
「じゃあどうするんだ?」
「何処で謝るのよ」
「思い切ったことしなければ駄目なんじゃないかしら」
 ここでこう言った霜月だった。
「もう。そうまでしないと収まらないんじゃ」
「そうね。じゃあ」
 如月がまた口を開いた。
「それだったら」
「ああ、如月は何処がいいんだよ」
「何処だとこの話終わらせられるの?」
「今度生徒集会あるけれど」
 その時だというのである。
「その時にね。話をしよう」
「その時にかよ」
「謝るのね」
「うん、そうしよう」
 如月は難しく沈んだ顔でこう三人に言うのだった。
「もうそれしかないから」
「だよな。そこまでやったらな」
「皆も矛を収めてくれるわよね」
「そうよね」
 三人も如月のその言葉に頷いた。そうしてであった。この場には四人の中には誰もいなかった。しかしだ。何かが仕掛けられている、その可能性については考えていなかったのだった。
 四人は職員室で担任の先生にだ。こう願い出るのだった。

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