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星河の覇皇
第七十部第一章 外縁部の賊その四

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「この様にです」
「それぞれのコミュニティはか」
「はい、考え動いています」
「連合から出てもジリ貧と言っていいコミュニティが多いな」
「そして独立が保たれるのならと」
「考えている組織も多いか」
「そうです」
 こうアッチャラーンに話すのだった。
「ですから」
「彼等は連合に取り込めるか」
「殆どの組織は」
「自分から入ってくれるコミュニティも多いな」
「はい」
 その通りだとだ、八条は答えた。
「情報部からの情報ですと」
「それはいいことだ」
「そうですね、コミュニティを加えるにしましても」
「自治を認めるのは当然だからな」
 連合としてはだ。
「それで入ってくれるのならだ」
「いいことです」
「国家として認めてもらいたい組織もあるが」
「それもですね」
「連合としてはだ」
 国家連合であるこの国にしてはだ。
「構わない」
「そうですね」
「だからな」
「はい、それならですね」
「いい」
 やはり連合としてはだ。
「問題ない」
「好条件となりますか」
「あちらにしてはな」
 コミュニティの方ではだ。
「いいことだ、しかしだ」
「完全な独立を言われるとですね」
「連合に入らずにな」
「それは認められない」
「そうなりますね」
「連合に入るのならいい」
 あくまでそれが最低条件だ、連合にしてはそれが為に好条件を出してそのうえでこれまで様々なコミュニティを彼等の中に入れてきたのだ。
 しかしだ、それを撥ね付けられるとというのだ。
「それだけは駄目だ」
「連合に入ってもらわないと」
「認められない」 
 アッチャラーンはまた言った。
「入ってくれるだけでいい」
「あくまで」
「国家としても認める」
「それならば」
「充分だからな、しかしな」
「それでもですね」
「これまでそれを突っぱねたコミュニティもな」
 それはというと。
「なかった」
「そうでしたね」
「これまでのところはな」
「では、ですね」
「まず安心か」
「連合を出た世捨て人のコミュニティもありますが」
「連合の完全な独立を詠ったりな」
「そうした組織も当初はそうでもな」
 その理想を掲げて連合を出たがだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「そうだ、彼等もだ」
 そうした者達でもというのだ。
「大抵はだ」
「連合に入りその生活を送れるのなら」
「外縁部は違う」
 連合とはというのだ。
「交易がな」
「経済圏ですからね、連合は」
 八条はこうも言った、この国は存在自体が巨大な経済圏であり途方もない富が動き続けているのだ。人口や総生産だけではないのだ。
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