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雲は遠くて
150章 米津玄師(よねづけんし)を語る、信也と竜太郎
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絶対にわかり合えないものであるというのがぼくの根幹にはある』
って言ってますけど、まあ、そう考えて、人と付き合えば、対人関係で傷つくことも、
少なくなるんでしょうしね。そんなとこも、リアリストですよね。
芸術家としてみても、現実と夢を見ることとのバランスが非常に優れているって思いますよ」

(まった)くだよ、しんちゃん。あっははは」

「米津さんは、『Lemon(レモン)』を作れたおかげで、《普通にならなきゃならない》
《普通でありたい》っていうコンプレックスみたいなものが、
1個浄化したんだろうなっていうのがありますね。』と語ってますけどね。
また彼は、『上品と下品って、世の中にあるものを()えてふたつに、
二項対立して分けた時に、下品な方向に恥ずかしげもなく行ける人間になりたいって、
思ったんですよね。そっちのほうが楽しいから。そっちのほが、もっと、
下品の中にあるいろいろなものが、自分の中に入ってきて、それが()()ざって、
また新たな音楽になる。長く音楽を作っていくにあたって、
ものすごく大事な大切なプロセスっだと思うんですよ。』
なんて語ってますけど、この言葉なんかは、音楽作りの参考になりますよ。
『Lemon』の中に入っている『はい』らしい掛け声は、米津さんの声で、
そんな下品のプロセスから生まれたんでしょう。あっははは。
『自分のみっともなさのようなものを音楽で見せることはずっとしてきたんですけど、
それをもっとダイレクトにやることが1番必要なことかな、みたいに考えてはいて、
そう思いながら曲を作ってたら、ほんと何も考えていなかったんですけど、
《はい》とか自分の声を入れている自分がいて。』とか語ってますからね。
インタビューする編集長の山崎洋一郎さんが
『なんかクソみたいな気分の《はい》が入っていると思ったら、
そういうことね』って言って笑ってましたよね。
おかしいですよね、竜さん。あっははは」

「わたしも、『Lemon』は大好きな歌なんですけど、あの掛け声は子どもの声かと思ってました。

 カウンターの中で、ふたりの話を聞いていた悠花(ゆうか)が笑顔でそう言った。
白の開襟ブラウス、黒のベスト風エプロンが、女性バーテンダーらしく可愛(かわい)い。
去年の11月から悠花は、≪カフェバー・ゆず≫のバーテンダーをしている。
評判もよくて、女性客も多い。

「悠花ちゃん、おれ、マンハッタンのおかわりね!おれも、あの『Lemon』の掛け声は何!?
って思ってたけど。そうなんだ、米津さんの声か。あっははは」と竜太郎は笑う。

「米津さんは、『ロッキング・オン・ジャパン』で、1ページを使って『かいじゅうずかん』という、
怪獣のイラストが掲載される連載を描(か
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