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麗しのヴァンパイア
第百八話

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第百八話  先髪
 華奈子と美奈子は身体を洗った後で髪の毛を洗っていた、そうしている中で美菜子は華奈子を見て言った。
「ねえ、洗ってる時にね」
「シャンプーがよね」
「目に入るかって思うとね」
「石鹸も結構くるけれど」
「シャンプーはね」
 こちらの洗髪料はというのだ。
「痛いわよね」
「石鹸以上にね」
「けれど華奈子は子供の頃からよね」
 自分で身体も髪の毛も洗える様になり母や父に入れてもらうのではなく双子で入る様になる前からのことだ。
「目を開けて洗ってるわね」
「あたしはそれでも平気なのよ」
「目に入るじゃないかって思っても」
「そう思うならね」
 それならというのだ。
「余計にね」
「目を開けてなのね」
「入らない様に注意したいから」
 それでというのだ。
「子供の頃からね」 
「目を開けてなのね」
「洗ってるのよ」
「そうなのね。私はね」
 美奈子は自分のことも話した。
「最近までね」
「目を閉じてたわよね、美奈子は」
「コンディショナーの時までね」
 シャンプーからリンス、そして最後までというのだ。
「そうしていたわ」
「そうよね」
「怖かったから」
 シャンプー等が目に入ることがだ。
「だからね」
「目を閉じてだったのね」
「目に入らない様にしていたの」
「あたしが見て注意するのとは逆ね」
「そうね、入らない様にするのは」
「そこも姉妹で違うわね」
「そうね」
 美奈子は双子の姉妹の言葉にくすりと笑って応えた。
「双子でいつも一緒にいるのに」
「それでもね」
「違うところは違うわね」
「髪の毛を洗う時も」
 その時もというのだ。
 今二人は目を開けて洗っている、だが最近まで違ったというのだ。そうした話をしながら二人で髪の毛を洗ったのだった。


第百八話   完


                    2018・11・21
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