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人理を守れ、エミヤさん!
再編、カルデア戦闘班
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っているはずだな」
「――あ! 聖杯ですね!」

 マシュが顔を明るくする。ロマニが乗っ取っられていない可能性の浮上と共に、その素性の真実に驚きの色彩を表情に浮かべていた。

「過去冬木で聖杯戦争があっ――」

 ぴしり、と頭に痛みが走る。

 唐突な頭痛。セーフティが掛かったような、急な思考停止。マシュが訝しげにセンパイ? と窺ってくるのに、ややロマンが慌てたように制止した。

「――っ! そこまでだ士郎くん。あまり僕の(・・)身の上を詮索しない方がいい」

 頭を振る。遠退いた意識に、魔術の介在を疑うも、ダ・ヴィンチは首を横に振った。
 カルデアでは感知されていない、魔術ではなく別方面からの干渉を受けた? ……目の前の、ソロモンから?

「……どういうことだ?」

 訊ねると、ロマニは真剣な顔で告げた。

「言えない。こればっかしは、君にだけは絶対に言えない」
「『俺にだけは』、ときたか。この場でそれが通ると思ってるのか? 折角晴れ掛かってきた疑いがまた再燃するぞ」
「構わない。でも、本当に言うわけにはいかないし、僕の過去を君が(・・)詮索するのは絶対に駄目だ」
「……」

 ちら、とアグラヴェインを見る。彼は首を横に振った。それは論理的に認められぬという意思表示。
 沈黙してロマニを見る。
 彼は魔術王ではない。それは信じられる。しかし過去を詮索するなとはどういうことなのか具体的な説明もなしに認められはしない。
 しかし意固地になったロマニには強要出来ないし、したくない。友人なのだから。
 仕方なく、妥協した。

「せめてなんで駄目なのかぐらい教えてくれ」
「言えない」
「……」

 お手上げである。俺は大袈裟な身振りで欧米チックに首を振り嘆息した。

「仕方ない。なら話を変える。お前はロマニだな?」
「……うん。そうだよ。それは信じて貰っていいさ」
「……聞いておいて悪いが、やはり信じるわけにはいかない。お前は兎も角、中身のソロモンは絶賛人理焼却の有力な容疑者だ。監視も置かずにいて、好き放題される可能性を考えると、カルデアのマスターとして見過ごせないな」

 ネロ、エミヤを見る。彼らは冷静に頷いた。同意である。
 アルトリア、オルタ、クー・フーリン、アグラヴェインも同意見なのか、口を挟まない。――アルトリアとオルタの顔がやや緊張を孕んでいるのに俺は目敏く気づいたが、今は追求しなかった。
 マシュは、固唾を飲んで俺の裾を掴む。その心を訴えるような眼差しに俺は微笑みかけた。悪いようにはしないさ、と。

「……じゃあ、どうする?」
「今のロマニは俺のサーヴァントだ。故に俺のサーヴァントとして常に行動を共にして貰う。俺やマシュ、アルトリア達でお前を監視するためにな
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