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魔術師ルー&ヴィー
第二章
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「どうなっている…!?」
 マルクアーンは目を見開いた。
 ここは王城ではなく、王城から少し離れた街中にある教会であった。
「お前たち、場所を間違えたのか?」
 シュトゥフは二人の魔術師、ルークとスランジェへと問った。だが、その二人の魔術師も首を傾げる有り様で、マルクアーンは仕方なしと三人を連れて外へ出た。
 教会から出たマルクアーンらは、一瞬、そこがどこであるか解らなかった。街並みが破壊されているためもあるが、それよりも…そこから見える筈の王城が消え去っていたからである。
 暫くの間、四人は呆然と立ち尽くしていたが、ふと…ルークが何かに気付いて口を開いた。
「マルクアーン様。どうやら、ここは四方結界の中の様です…。」
「何だと?それでは…王城を中心に結界が張られているのか?」
「その様です。それに、この結界は現在も四人の魔術師によって支えられている様ですが…。」
 そのルークの言葉に、マルクアーンは険しい表情で返した。
「では、その四人は各々の場所で力を行使し続けているのか!?」
「はい。」
 その返答を聞き、マルクアーンは直ぐ様シュトゥフへと視線を向けて言った。
「直ぐに王城へ向かう。破壊し尽くされたと言う事は、グールは今もそこに留まっている可能性が高い。恐らくは、そのための四方結界だろうからな。」
「だがシヴィル…この四人で行ったとて、どうなるでもあるまい。何か良い策でもあるのか?」
 困惑するシュトゥフ。その隣には不安気にマルクアーンを見るルークとスランジェがいる。
 それもその筈…四人は王城に待機してるであろう戦力を当てにして来たのだ。若き日のシュトゥフであれば、見境なく突き進んだであろうが…もう歳が歳である。
 シュトゥフも考えなかった訳ではないが、今自分が無茶をすれば、二人の若き魔術師を否応なく巻き込むのだから、先を考えざるを得ないのである。無論、マルクアーンのことも…。
 そんなシュトゥフに、マルクアーンはこう言った。
「ここまでルーの手を焼かせるのだ。妖魔…特にグールの力の源は、やはり魔晶石かそれに類するもので間違いなかろう。彼らが結界を維持している内は、大妖魔グールとて自由に動けまい。今の内にそれを破壊せねば。」
「して、それは何処にあるのだ?」
 シュトゥフは眉を顰めて問うと、マルクアーンは浅い溜め息を洩らした。
「分からんよ。だが、妖魔は広範囲で動き回っていたようじゃから、体内に直接埋め込まれている可能性が高い。故に、グールの近くでのみ、妖魔が活動出来ていたのであろう。そうでなくば、疾うにこの王都の全てが灰燼に帰していたであろうからな。」
 その答えに、シュトゥフと二人の魔術師は眉間に皺を寄せた。
 もし仮にそうだとするなら、直接グールと対峙せねばならない。如何な結界の中とは言え、
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