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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第58話 目覚めた後で
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をそいつに突きつけた。目が慣れてきたのか顔の部分が徐々に見えてきたがそれをハッキリと見てしまった俺は思わず太刀を手放してしまう位の衝撃を受けた。


「お、俺……?」


 そう、俺の目の前に立っていたのは紛れもなく俺自身だった。まるで鏡を見ているようにも思えたがそいつの目を見て俺はそれが鏡じゃないと理解した。


「金の瞳孔……」


 その姿は俺があの悍ましい力を発揮したときと似ていたが目が違った。漆黒の中に光る瞳孔、まるで獣のような鋭い眼光だった。


「あ、あれはッ!?」


 俺は奴の足元に眠る様にして横たわっているフィーを見つけた。もう一人の俺は太刀を構えるとフィーの胸に突き立てようと太刀を構えた。


「止めろ!」


 俺はそれを止めようとするが、奴の周りはまるで見えない壁があるかのように近づくことが出来なかった。


「くそッ!業炎撃!」


 壁に向かって攻撃するがその途端に太刀は折れてしまった。


「破甲拳!!」


 武器を無くした俺は素手で壁を破壊しようとする。だが壁は一向に無くならない、俺の腕の皮膚が避けて血が出るだけだった。
 奴は俺に構うことなく太刀を一気にフィーの胸に――――――――



「止めろ、止めてくれ―――――――――――ッ!!!」


 




 







「……ハッ!?」


 目を開けるとそこは俺の知らない天井だった。さっきまでの出来事は全部夢だったのか……?


「ほ、本当に良かった……」


 俺は安堵のあまり胸に右腕を添えてホッと息を吐く。まったく、あんな最悪な夢を見るなんてツイていないな。


「しかし、ここは何処だ?」


 俺がいた場所はかなり広い部屋だった、至る所に高級品が並べられておりそこいらの高級ホテルなど太刀打ちできないほどの豪華さだった。


「そう言えば皆は何処に……?」


 俺以外誰もいないことに少し怖くなってしまった俺は、ベットから降りようとして右手を使って体を起こそうとベットに置いた。


 もにゅん。


(……なんかここの部分だけベットじゃない柔らかさを感じる?)


 違和感を感じた俺はかけられていた毛布をはがす、そこにはスヤスヤと眠るフィーがいて俺の手は彼女の胸に置かれていた。


「なっ……!?」


 驚いた俺は思わず後ずさりをしてしまう、しかし勢いが良すぎたのか俺の体はそのままベットから落ちてしまい床にお尻から着地してしまった。


「痛っ!」


 思わず声を出してしまい、その声でフィーが目を覚ます。


「ん……ふわぁぁぁ……」


 ごしごし
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