暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第八十九話 大坂に戻りその六
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「二人で商売をしてな」
「そうしてだな」
「儲けてくる、だがあくまで儲かるのはな」
「上手くいけばだな」
「我は石橋を叩いていくが」
「わしもじゃな」
 当季は自分を見て言う幸正に悪戯っぽく笑って応えた。
「そのことはじゃな」
「そうだ、商売と博打は違う」
「だからじゃな」
「しかとだ」
「迂闊に大金注ぎ込む様なことはせん」
「御前の勘は確かにいいし人を見る目もある」
 そうしたものは備わっているからだというのだ。
「だからだ」
「迂闊にはか」
「進まないで御前の機転も活かしてだ」
「やっていくべきか」
「そうだ、そうすればだ」
「わしも儲けられるんじゃな」
「損をせずにな。考えたがな」
 当季の長所と短所、その二つを比較してだ。幸正から見て彼は商売においては諸刃の剣であるのだ。
「御前は長所を出す様にしろ」
「勘、人を見る目、機転か」
「そして器の大きさだ」
 このこともというのだ。
「そこに博打的な考えといささかの軽率さを抑えればな」
「儲かるんじゃな」
「だから頼んだぞ」
「それではのう」
「まあそれぞれのやり方で儲けるか」
 耕平も言ってきた。
「情報も集めたらええ銭になるしな」
「そうだ、情報を集めてこそだ」
 英雄も耕平に応えて言う。
「銭は出来るというしな」
「情報は銭やってな」
「知ること自体がな」
「それやったらな」76
 耕平は自分が今やるべきことを考えつつ英雄に述べた。
「それがしはな」
「忍としてだな」
「大坂とその周りの情報をな」
「集めていくな」
「それを自分等に銭にしてもらう」
 耕平は幸正と当季に顔を向けて彼等にも言った。
「そうしてもらうで」
「わかった、ではな」
「情報どんどん貰うぜよ」
「こっちもどんどん集める、忍の仕事はな」
「情報収集だからな」
「そもそもそれが主な仕事じゃしのう」
「集めてくで」
 忍者のその力を使ってというのだ。
「必ずな」
「頼んだぞ」
「今から頼むぜよ」
「わかったわ」
 耕平も笑顔で応えた。
「そうさせてもらうで」
「情報収集は必要たいが」
 今度は香織が言ってきた。
「ここで大事なのはとよ」
「間違った情報はな」
「ちゃんとな」
 それこそというのだ。
「集めてもね」
「弾かなあかんな」
「そうたい、そこもたい」
「しっかりせなあかんな」
「情報は集めることも重要たいが」
 それに加えてというのだ。
「分析もたい」
「大事や」
「そや、それでとよ」
 だからだというのだ。
「うちもたい」
「情報集めるんやな」
「仙人はそうしたことも出来るたい」
「術を使って集めるんやな」
「そうたい、特にうちはとよ」
 情報収集についてはというの
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ