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ドリトル先生と日本の鉄道
第八幕その八

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「そこまで出来るから」
「やらせて下さい」
 熱い声で、でした。新垣君が先生に応えました。
「そこまで出来たらです」
「凄いよね」
「はい、プラモはもう造るなら」
 それならというのです。
「徹底的にですよ」
「忠実に実物を再現してだね」
「凄いものにしてこそなんで」
 だからだというのです。
「やらせて下さい」
「そこまでだね」
「やらせて下さい」
「僕もです」
 和田君も先生に言ってきました。
「ドーラについては詳しいつもりなので」
「だからだね」
「実際にドーラが使用された状況はわかっています」
「第二次世界大戦の時の」
「ですから」
 それでというのです。
「もうそれこそです」
「忠実にだね」
「再現させてもらいます」
「頼むよ、そのことは」
「こちらも動くドーラを再現させられるなら」
 それが模型でもというのです。
「やらせてもらいます」
「わかったよ、じゃあね」
「二人と一緒に鉄道博物館の方もです」
 宮田さんも言ってきます。
「全力で造らせてもらいます」
「はい、それでは」
「はい、楽しみにしておいて下さい」
「是非そうさせてもらいます」
 先生も宮田さんに笑顔で応えます、そしてでした。
 鉄道博物館の人達は新垣君和田君と一緒にドーラの動く模型を造りだしました、先生は無事に頼りになる人達の協力を鉄道博物館に提供出来ました。
 ですがここで先生は宮田さんに尋ねられました。
「先生はプラモデルや鉄道模型は」
「好きです」
 先生は穏やかな笑顔で答えました。
「見ることは」
「では造ることは」
「これが造られないんですよ」
「そうなんですか」
「はい、不器用でして」
 そのせいでというのです。
「僕はそうしたものは造られないです」
「あれっ、プラモは子供でも」
「造られますお」
 新垣君と和田君が言ってきました。
「先生手術もされますよね」
「でしたら」
「手術は出来るけれどね」
 そちらは出来ます、伊達にお医者さんではありません。
「けれどね」
「プラモや鉄道模型は」
「そうしたものを造ることは」
「絵も彫刻も他の工作もね」
 小学校の授業で言う図画工作はというのです。
「不得意なんだ、スポーツと同じでね」
「先生がスポーツ出来ないといいますと」
「それは結構有名ですけれど」
 新垣君と和田君も知っていることです。
「それで、ですか」
「そうしたこともなんですか」
「そうなんだ、どうしてもね」
「だからプラモも」
「そちらも」
「造られなくてね、見るだけなんだ」
 そうだとお話する先生でした。
「よくフィギュア造ってる人いるよね」
「はい、フィギュア部ですね」
 新垣君がすぐに応えました。
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