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レーヴァティン
第八十八話 大坂に戻りその十四

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「そうしたこともしたしな」
「太閤さん一代の善行であります」
「その話を聞いてな」
 それでというのだ。
「好きになった、余計にな」
「それまでのこともでありますな」
「好きだったがな」
「そのお話を聞いて余計に」
「それでだ、俺も太閤さんの様にだ」
「働かれたいですか」
「この世界ではな、それが出来るのだからな」
 秀吉の様に統一して民達を救うことが出来るからだというのだ。
「ではな」
「大坂に帰れば」
「まずはだ」
 まさにというのだ。
「街を統一してだ」
「そのうえで」
「旗揚げをして城も築き」
「天守閣もでありますな」
「築く、いいな」
「それでは」
「すぐに大坂に戻る、戻ってすぐに動くが」
 英雄はこうも言った。
「大坂の名物も食うか」
「たこ焼きですね」
 食べる大坂名物と聞いてだ、良太が言ってきた。
「それは」
「焼きそばにお好み焼きもだ」
「そうしたものも」
「食う、勿論他の名物もだ」
 大坂のそれをとだ。英雄は答えた。
「河豚も蟹も鰻丼も豚まんもな」
「鰻といいますと」
「鰻を御飯の中に隠した鰻丼だ」
「ああ、あれですね」
「そうだ、あれも食いたい」
 是非にという言葉だった。
「大坂に行けばな」
「そうですか、では」
「大坂に行くとしよう」
「旗揚げの為に」
「是非な、ただ腹が減っては何も出来ない」
 だからこそというのだ。
「そちらも楽しむ」
「楽しんでそのうえで」
「ことを進めていく、酒も飲む」
 英雄はこちらも忘れていなかった、そしてだった。
 今は刺身を楽しんだ、湖の中に魚を釣ってすぐに調理したそれは酒ともよく合い非常に美味いものだった。


第八十八話   完


                    2018・11・1
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