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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二百二話 恐竜の像その十三

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「調査隊を送っても」
「わかることは限られている」
「その場所の全部はわからないのね」
「見える範囲しかわからないから」
「そうしたものだから」
「そうだよ、若し人が全部わかるのなら」
 それこそだ。
「学問は今より遥かにつまらないってね」
「そう言われてるのね」
「誰かに」
「うん、そうした言葉を聞いたことがあるよ」
 誰に言われたかわからないけれどだ。
「人間がそうしたものだからね」
「仏様じゃないから」
「アッラーでないから」
「人間は人間だよ」
 本当にそうでしかない、無力と言うべきか。
「見えるものしかね」
「本当にわからないのね」
「その目で見える範囲でしか」
「だから調査隊を送ってもわからない」
「そんあこともあるのね」
「調査隊を送ってもね」
 本当にだ。
「それで全部わかるものじゃないよ」
「だから雪男もひょっとしたら」
「ヒマラヤのあれも」
「いるかもね、足跡や頭の皮も見付かってるし」 
 どちらも眉唾という話もある。
「だからね」
「いるかも知れなくて」
「やっぱり無碍に否定出来ないのね」
「そう思うよ。うちの学校ミステリー研究会もあって」
 中等部にもある、どちらも結構部員が多くて活動も盛んだ。
「未確認動物の研究も盛んだけれど」
「あの人達に聞けば」
「色々わかるかも知れないのね」
「他に心霊とか妖怪とかUFOもやってるけれど」
 商業科のカルタ部の娘達の中でやけに妖怪に詳しい娘達もいる、確か一年生だった筈で学園の怪談話は全部知っているらしい。
「未確認動物にもね」
「詳しい人いるの」
「ミステリー研究会には」
「そうなのね」
「あの部活に」
「僕よりずっと詳しい人いるよ」
 まさに未確認動物博士と言っていい位だ。
「その人に聞くとね」
「もっとわかるのね」
「何かと」
 二人で僕の言葉に応えてくれた。
「それじゃあね」
「三人で色々聞いてみる?」
「そうだね」
 僕は少し考えてから二人に応えた、そうして実際にだった。
 そのミステリー研究会に行ってみることにもなった、涼しくなってきて僕は三銃士から森鴎外そして今度は未確認動物に関心を向けていた。


第二百二話   完


                   2018・9・1
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