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モンスターガールズ
第六章

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「それで、です」
「ことを進めるでおじゃるな」
「そうすべきと思いますが」
「そこまで考えているとは」 
 夏目は中原の話をここまで聞いて呻る様にして言葉を出した、その後で彼は中原に対してこう言ったのだった。
「もう麿はでおじゃる」
「異論はですな」
「ないでおじゃる」
「では」
 こうしてだった、中原はリーと太宰に連絡をしてだった。
 そうして少女達を隕石と共に孤児院に入れた、少女達はしばらく様子を見ても隕石の光を浴びずとも魔物に戻ることはなかった、そして後にわかったことだったが結婚しても子供にも子孫にも魔物の要素が出ることはなかったがこれは後の時代の話である。
 中原達は少女達を孤児院に入れる手筈まで整えてから村を後にした、そうして村を出たその時にだった。
 中原の手にあるものが出て来た、それは何かというと。
「帳簿ですね」
「これまた商売道具でおじゃるな」
「はい、算盤は利休殿ののもので」
「かつては商人だったでおじゃるしな」
「商才もあった方なので」
 その利休の算盤を持っているというのだ。
「天秤は越後屋のもので」
「江戸時代の絹問屋でおしゃるな」
「厳禁掛け値なしの」
 これで有名な店だった。
「あのお店に伝わっていたもので」
「それで、おじゃるな」
「この帳簿は鴻池家のものです」
 大坂の有名な豪商で天下一の商人とさえ言われていた。
「そしてこの帳簿に書きますと」
「どうなるでおじゃるか」
「あらゆるものが記憶できる」
「そうした神具でおじゃるか」
「はい、しかも幾らでも書けます」
「凄い神具でおじゃるな」
「書くと僕の記憶に刻み込まれ」
 そうなってというのだ。
「帳簿に書かれた文字はすぐに消えますか」
「中原氏の頭の中にずっとでおじゃるな」
「残ります」
「それはいいでおじゃるな」
「まことに。そして神託の試練を乗り越えたので」
 その結果として、というのだ。
「僕は全体にです」
「強くなったでおじゃるな」
「そうなりましたわ、ほな」
「これからはでおじゃるな」
「次の場所に行きましょか」
「そうでおじゃるな、ではでおじゃる」
「はい、足を進めましょ」 
 笑顔でだ、中原は夏目に言ってだった。
 彼と共に次に向かう場所に足を進めだした、神託を乗り越えても二人はそこからさらに足を進めていくのだった。


モンスターガールズ   完


                  2019・1・25
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