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人理を守れ、エミヤさん!
いい加減に士郎くん!
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くれ」

 やたらと詳しいセイバーに聞くと、どうやら第四次聖杯戦争の時にあの海魔とやらを召喚するキャスターのサーヴァントと交戦したことがあるらしい。
 ことの顛末を省き、能力だけを聞くと、その厄介さに顔を顰めた。
 召喚は容易。呼び出すだけ呼び出し、後は放し飼いにすれば勝手に魔物が獲物を求めて動き出す。典型的な宝具が強力なタイプのキャスターで、最後の決戦の時には聖剣の真名解放をしなければ打倒できなかったほどだという。

 最低限の手綱を握り、自身と味方だけは襲わせないようにすれば、近場に生き物がいないためこちらを率先して襲ってくるわけだ。しかも、ワイバーンの群れも多数存在している。あれも竜の魔女が召喚したものだとすれば、恐らく単純な兵力だけでこちらを押し潰すことも不可能ではない。
 無限に湧いてくる海魔とワイバーン。あまり相手にしたくない組み合わせだ。どうやら、相手も本気のようだし……やはり出し惜しみは出来ないか。

「アルトリア、お前の意見を聞きたい。オルレアン城に辿り着くまでの最短ルートはなんだ?」
「このまま直進し、敵を宝具で一掃して進むのが最短ですね」
「……聖剣は使えないぞ。燃費が悪いのもあるが、お前のそれは対城宝具だろう。軍勢を相手にすれば討ち漏らしが必ず出てくる」
「ええ。なのでマスター、貴方の投影した勝利すべき黄金の剣(カリバーン)を使わせてください」

 その言葉に、マスターはサイドカーに積まれた投影宝具のカリバーン五本を見る。

 メロダックは四本、アサシンに持たせてあるため一本しか貯蔵がない。元が偽螺旋剣と赤原猟犬を含め、二十本という頭の悪い数だったから残り十六本貯蔵されていた。

「……何本使う?」
「二本で充分です。一度の真名解放で砕け散るでしょうが、それを恐れなければ平時の聖剣に伍する力を発揮できる。ランクにしてA+は固いでしょう。一度のカリバーンで今見える範囲にいる敵を一掃、討ち漏らしをもう一度カリバーンで薙ぎ払えば問題なく殲滅できます」

 それを聞いて、マスターは投影宝具をセイバーに託すことを即決した。しかし、自身が消費する魔力量を計算しなければならない。
 魔力量に不安はなくとも、魔術回路は無尽蔵ではないのだ。幾ら負荷が軽減されるとはいえ、調子に乗っていたら特異点Fの時の二の舞である。

「以前バーサーカーと戦った時の未熟なマスターですら、カリバーンの真名解放に耐えられたのです。カルデアのバックアップがある今、成熟している貴方には大した負担にはならないと思いますが」
「……簡単に言ってくれる。あの時は割りと死にそうだったんだが」

 まあいい。躊躇えるだけの余裕はない。元々こういう時のために多めに投影していたのだ。セイバーの意見に従おう。
 マスターはちらりと己の右
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