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人理を守れ、エミヤさん!
酷すぎるぞ士郎くん!
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ないし、非効率的だと思ったのである。
 夜通し、じっくり丁寧に時間をかけて、負担が掛からないように気を使いながら投影した。これからは暇さえあれば投影宝具を増やしていこうと思っている。
 そこで、ふと気づいた。俺達は今、名前も知らない森の手前にいるわけだが、樹の影から何かがこちらを見ている。――切嗣だった。仕事帰りの独身サラリーマンの如く目が死んでいる。

 咽び泣くアルトリアと、それを慰めるマシュを背にアサシンの元に向かった。

「マシュ、シロウが、シロウが苛めます。どうしてです、私はよかれと思って……」
「余計なお世話という奴ですね」
「円卓の騎士の物真似がなんであんなに上手いんですか。辛いです」
「自業自得ですよね」
「槍の私なら胸だって……きっとあるはずなんです」
「でもセイバーのアルトリアさんの現実はそれです」
「……マシュ。貴女とは少し話し合う必要があるようですね」
「? わたしは特に話すことなんて……」

 ……。
 ……慰めて、る?

 いやあれも立派なコミュニケーションだ。間違いない。マシュは良い娘なので、何も問題ない。

「……で、首尾はどうだ」
「この森は通るな。伏兵がいる。女の狩人のサーヴァントだ。獅子の尾、耳からするに純潔の誓いを立てたアタランテだろう。森で相手をするのは自殺行為だ」
「ん? ……この森か?」
「ああ」

 思いっきり走り抜けるつもりだった俺である。危なかった、本当危なかった。危うく罠にかかって森ごとアタランテを聖剣で焼き払わねばならなくなるところだった。

「迂回しよう。魔力は節約だ。使わないで良いなら使わない。節制は美徳なり」
「お母さん……」
「ん?」

 マシュがこちらを見て、ぽつりと呟いた。

「何か言ったか」
「いえ、何も」

 見れば、アルトリアもこちらを見ている。しかし切嗣は抜け目なく彼女達の樹の影の死角に立っていた。徹底している。さすが切嗣。遊びがない。
 そんな切嗣は、やはり遊びのない眼差しで言葉を続けた。

「ついでに敵本拠地を発見した。オルレアンだ。ここはジュラという森。ここから北西の位置にオルレアンがある。僕は奇襲するべきだと判断するが、どうするマスター」
「……奇襲だと? 俺達だけで、か?」
「そうだ。ジャンヌ・ダルクはサーヴァントを追加で呼び出せるようだ。このままでは折角のアドバンテージが崩れ去る」
「サーヴァントの追加召喚? ……ジャンヌ・ダルクは聖杯を持っているな」
「ああ。僕もそう睨んでいる」

 暫し沈思し、俺は決断する。
 本当ならフランス軍を利用し、人海戦術で攻めるつもりだった。そのためにフランス兵を助け、フランス軍元帥のジル・ド・レェに接触するつもりだったのだが……。

 サーヴァ
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