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許されない罪、救われる心
182部分:エピローグその三

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エピローグその三

「病院だけれど」
「病院?八条病院ね」
「椎葉さんそこの勤務になったのよ」
「そうなの」
 ここで、だった。如月の顔は喜んだような、それでいて何処か辛いような。そうした顔になってそのうえで弥生に言葉を返すのだった。
「あそこなのね」
「師走さんや水無さんと一緒に勤務してるのよ」
「あの人達と一緒なのね」
「忙しいけれど楽しくやってるそうよ」
 そうだとだ。弥生は話すのだった。
「とてもね」
「そう。よかったわ」
「如月、あの娘とは」
「・・・・・・・・・」
 如月はここでは俯いてしまった。そのうえで沈黙してしまった。
 そしてだ。一呼吸置いてから言うのだった。
「何とかね」
「何とか?」
「許してもらえても」
「積極的にお話とかは」
「できないままなのね」
「難しいわね」
 また言う彼女だった。
「それはどうしても」
「そうね。ただ」
「ただ?」
「もう終わったことだから」
 弥生は優しい声で如月に話した。
「忘れられなくてもね。そんなに後ろめたく思わなくてもいいから」
「そうなの」
「そうよ。お兄さんはまだ許してくれないでしょうけれど」
「あの人は今どうしてるの?」
「普通に会社員をされてるわ」
 そうだというのである。
「別におかしなところはないわよ」
「そうなの。特になの」
「そうよ。それでね」
「ええ」
「岩清水君は相変わらずらしいわ」
 弥生は今度は苦い顔になった。その眉が歪んでいた。
「彼はね」
「そうなの。相変わらずなの」
「話は聞いてるわ」
 こう如月に話すのだった。
「それはね」
「そうなのね」
「同じよ。というか」
「というか?」
「そうして。もう何人もね」
 俯いた顔で如月に話していく。
「死んでも追い詰めているわ」
「そうなの。本当に同じなのね」
「如月達はあの時本当によかったわ」
 弥生は思い出す顔になった。そのうえでの言葉だった。
「彼がすぐに転校して」
「そうよね。本当に」
「若しあのまま続いていたら」
「ええ」
 如月もだ。辛い顔で弥生の言葉に頷く。
「危なかったわね」
「私も。守りきれたか」
「葉月君もいてくれて。彼が言ってくれてからすぐにね」
「転校したからね」
「そうね。お家の事情で」
 それでだというのだった。彼が如月達の前からいなくなったのはだ。
「いなくなったからね」
「彼は何をどうしても如月達を死んでも追い詰めるつもりだったから」
「そうね。私達を」
「あのまま私も葉月君も何処までもやるつもりだったけれど」
 決意をしていたからこそだ。それで如月を守ろうとしたのがあの時だったのだ。その決意を固めてそのうえでのことであったのだ。

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