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SAO−銀ノ月−
「自分で行きます」
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 カイサラたちの協力のおかげで、キリトたちとの合流地点である《はじまりの町》近くの聖大樹へと転移が出来た。とはいえここから《はじまりの町》までは徒歩移動であり、プレイヤーたちからの襲撃もあるだろうと、ショウキが先導したその道のりは……予想以上に容易かった。

「えぇ……」

 どういうわけか襲撃してくるプレイヤーの数が少なく、たまに少ない勢力が様子見には来るものの、そういった相手はエンジュ騎士団の護衛を見て逃げていく。それでも挑んでくる蛮勇に満ちた相手ならば、状況についていくのがやっとのガーネットが呟いたような、信じられないエルフたちの連携に沈むのみだ。

 とはいえ理由は分からないとはいえそれは好機に違いなく、サラマンダー領あたりが出張ってくる前にと急げば、《はじまりの町》近くの草原地帯に待ち合わせ相手が待っていた。

「プレミア! 大丈夫!?」

「フォールン……!?」

 こちらの無事を確認してほっと息を吐くリズにキリト、アスナの姿を見て、ショウキたちにも少しばかりの安心感がもたらされた。高い高い、とプレミアを掲げるリズに、ユイと無事を確認しあうアスナ、アルゴやキズメルと話し合うキリトと様々に、お互いの状況を簡単に確認していく。以前の浮遊城で戦ったことのあるカイサラたちに驚いているようだが、その辺りのすりあわせはアルゴに任せておくとして。

「でもプレミア、本当に頑張ったわね。あんな傷だらけになってまで……」

「リズも見ていたのですか?」

「あー……えっと、そこにいない人にも見えるように誰かがしてくれたのよ」

「……レインさんが動画で拡散してくれて、プレミアちゃんを襲わないように言ってくれてるみたい」

 そう、アスナがショウキに耳打ちしてくれたことを察するに、プレミアの説得を動画で拡散してくれている(アイドル)がいるらしく。プレミアが生きていたい、と涙ながらに訴えたことにより大手の勢力は動けなくなったようで、プレイヤーがあまり来なかったのはそのためらしい。今度レインに礼を言っておこうと心に刻みながら、ショウキは状況の確認が済んだキリトに向き直った。

「……早速だけどな。キリトの考えっていうのを聞かせて欲しい」

「ああ……プレミアには、この世界から……いなくなってもらう、しかないと思う」

「というと?」

 少し言いにくそうにはしていたが、時間もないのだとキリトは手早く考えを語る。プレミアにはこの世界からいなくなってもらうしかない――などと、あまりにもあまりなその意見に、キズメルの冷静な問いかけ以外には声も出なかったのは、誰もが心の底では分かっていたからかもしれない。

 ――プレミアはもう、この世界では生きていけないのだと。

「…………」

「なあ、それしかないの
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