暁 〜小説投稿サイト〜
悪徳商人の誇り
第二章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 そのオークにだ、雅は鈴子と共に近寄って声をかけたのだ。
「私達に何か」
「お嬢ちゃん達いい身体してるな、へへへ」
 オークの男は好色そのものの目で二人を上から下まで嘗め回す様にして見つつ言う、その声も実に好色そうだ。
「今晩どうだい?」
「お断りします、もし触ってきたなら」
「容赦しませんよ」
 鈴子も男に言う。
「お仕置きを警察に突き出します」
「おいおい、俺は悪い奴じゃないぜ・・・・・・あがっ!!」
 男は自分を悪人でないと言うとだった。
 即座に苦しみだした、その場で苦しみもがきのたうちだした。雅は男のその様子を見てどうかという顔になって述べた。
「痛風ではないですね」
「痛風はもっと、ですね」
 鈴子も述べた。
「また違いますね」
「あれは痛いといいますが」
「また別の感じですね」
「そうですね」
「くそっ、また呪いかよ」
 男は何とか立ち上がってから忌々し気に言った。
「俺が何をしたっていうんだ」
「色々されてきましたね」
 雅は男の如何にもという悪人面を見て述べた、ハノイの次第に近代化していっている感じの中の木と煉瓦が共にある街の中で。
「貴方は」
「何でそれがわかるんだよ」
「いきなり私達をいやらしい目で見てきてその態度に」
 雅は男にさらに話した。
「人相、特に目を見てです」
「俺が色々してきたっていうんだな」
「はい、貴方は悪人ですね」
 鈴子も言った。
「お仕事は何かわかりませんが」
「仕事?海鮮問屋だよ」
「裏で色々していますね」
「犯罪はしてねえよ」
 男は今度は痛みを感じなかった。
「法律に触れることは一切な」
「つまり犯罪にならない悪事を働き続けている」
 雅は男の悪事がどういったものかすぐに察して述べた。
「そうなのですね」
「そこのダークエルフの嬢ちゃん口が悪いな」
「そうでしょうか」
「そうだよ、しかしあんた達見たところ頭がよくて術を使えるよな」
「それなりに」
「私もです」
 雅だけでなく鈴子も答えた。
「色々出来ます」
「呪いを解くことも」
「そうしてくれ、銭は出す」
 すぐにだ男は二人に土下座せんばかりになって申し出た。
「ったくよ、教会のシスターの尻触ったらそこの神父が神罰を与えるかと言ってな」
「呪いをかけられたのですか」
「最初は信じてなかったけれどな」
「それが、ですね」
「俺が商売していたり普通に暮らしていたらな」
 それだけでというのだ。
「さっきみたいにいつも身体中が痛くて仕方なくなるんだよ」
「そうですか、自業自得ですね」
 ことの次第を聞いた雅の言葉は先程よりも冷たいものになっていた。
「まさに」
「自業自得かよ」
「セクハラです」
 男のその行為はというのだ。
「激痛にの
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ