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星河の覇皇
第六十九部第四章 国境外縁部その四十四
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「それは無理です」
「各国政府との衝突にですね」
「中央政府全体として力を注がないとならないので」
「政治がまた止まりますね」
 少し厳しい、批判する目になってだ。バールは言った。
「それは」
「そうなりますね」
「最低限の国家システムは行えても」
「はい、暫くは法案もです」
 政策として出されるそれがというのだ。
「議会を通らないかも知れないですね」
「最低限の行政は出来ても」
「国会がどうか」
 その問題だというのだ、連合は他国と比べて官僚システムも整っているので議会が中央政府と各国の衝突の場になっても国家運営が完全に停止することはない。それでも動く様にはなっている。即ち行政は動くのだ。勿論司法もだ。
 しかしだ、立法がというのだ。
「それはです」
「またそうした状況になりますか」
「はい、またです」
 八条は少し苦笑いになってバールに答えた。
「残念ですが」
「そういうことですね」
「そうなります、ですが」
「それは避けられませんね」
「連合の常ですね」
 中央政府議会を舞台にした中央政府と各国政府の衝突はというのだ。もっと言えば集権派と分権派のである。
「各国政府の議会でもです」
「双方の衝突が起こりますか」
「それで暫くはです」
「連合の政治は停まりますか」
「そうなります」
「いつものことですが」
 それでもとだ、バールはここでこうも言った。
「連合はこの衝突で常にかなりのエネルギーを使ってますね」
「その通りですね」
「中央政府と各国政府の衝突に」
「そして各国政府同士の」
「それで政治も停まりますが」
「そうですね、しかしです」
「それはですね」
 中央政府と各国政府、集権派と分権派のそれのだ。
「仕方ないですね」
「それが連合です」
「各国政府の権限が強く」
「それを脅かすことは出来ないです」
 連合は各国政府の権限の尊重を憲法で謳っているからだ、中央政府が代表でもこのことは千年の間変わらない。
「そしてその建前によって」
「そうしてですね」
「そうです、各国政府も主張します」
「自分達の権限の確保を」
「拡大も」
 確保からというのだ。
「そうなっていますので」
「千年の間続いていますね」
「はい、まさに」
「そしてそれはですね」
「連合の宿痾です」
「政治の停滞も」
「若しこの停滞がなければ」
 ここでだ、八条はこうも言った。
「連合はより進歩、発展していた」
「そうした意見もありますね」
「百年は」
 今以上にというのだ。
「発展していたともです」
「言われていますね」
「とかく衝突が激しいので」
「全くですね」
「連合では政治的停滞がよく起きます」 
 頻発とまではいかないがだ。
「そしてこれから
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