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星河の覇皇
第六十九部第四章 国境外縁部その四十二
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「実は私はです」
「アイスクリームがですか」
「好きでして、いえ」
 その微笑みのまま言うのだった。
「むしろ目がないといいますか」
「そこまでお好きですか」
「そうなのです」
「このアイスクリームもデザートしては」
「オーソドックスですね」
「よくあります」
 そうしたものだというのだ。
「連合でもエウロパでも」
「どの国でも人気がありますね」
「マウリアでもサハラでも」
 こうした国々でもというのだ。
「人気があります」
「そうしたものですね」
「人気があり」
「普通に食べてもですね」
「美味しいです」
 それがアイスクリームだというのだ。
「かつてベーブ=ルースも大好きだったとか」
「あの伝説の大リーガーの」
「はい」
 三千本近いヒットを打ち七百十四本のホームランを打った。まさに野球の神様と言っていい伝説の野球選手である。
「彼もまたです」
「アイスクリームが大好きだったのですか」
「目がなかったとか」
 ビール、ステーキ、それにこのアイスクリームにだ。
「よく食べていたそうです」
「そうだったのですね」
「その頃から人気があり」
「オーソドックスなデザートでしたね」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「そしてよく食べられていました、ですが」
「はい、美味しいアイスなら」
「これがあれば」
 それでというのだ。
「最後も安心ですね」
「全くですね」
 バールは微笑み八条に答えた。
「このアイスはバニラですが」
「他のアイスもですね」
「目がありません」
 好きどころかというのだ。
「モンゴルでもよく食べました」
「お国でもですか」
「子供の頃から」
「そうだったのですね」
「アイスクリーム製造機が家にありまして」
 ゲルのその家の中にというのだ、モンゴル人の遊牧の家に。
「それで作っていました」
「ミルクと、ですか」
「あと砂糖と卵を買って」
 これも忘れていなかった。
「そうしてです」
「そうでしたか」
「子供の頃から食べていました」
「そのアイスクリームは馬か羊の」
「はい、牛乳ではなく」
「そちらも美味しいですね」
「そうですね」
 この時代では牛乳以外のミルクからもアイスクリームが作られていてだ、非常によく食べられているのだ。
「牛乳のものとはまた違った味わいがして」
「そうですね」
「このアイスは牛乳ですね」
「それから作っています」
「そのアイスクリームもいいですね」
「まことに」
「では」
 そのアイスも二人で楽しんだ、確かにオーソドックスなメニューであったがそれ故に楽しめたのも事実だった。
 そしてだ、その食事が終わり。
 八条はバールにだ、最後の酒を飲みつつ言った。
「作戦が開始され
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