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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三七幕 「いけ、戦乙女たち!」
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 佐藤さんが襲撃を受ける日――その朝。

 フランス共和国、パリでは『ユーロサトリ』が開催されていた。

 ユーロサトリとは簡単に言えば世界的な軍事展覧会だ。世界各国の防衛・安全保障に関連する製品の展示が行われ、展示物は戦車やトラックなどの車両から小火器やナイフなど歩兵の装備、果ては軍事力とは結び付かない衛生や災害にかかわるものまで、国の安全保障を垣間見ることの出来る一大イベントである。
 ただ、その様相はIS登場から大きく様変わりした。具体的には、ISとIS関連装備や兵器が主役に成り代わったのだ。開催期間もかつては6月だったのに、IS関係者のIS学園が7月末から夏休みに入る影響を受けて8月初旬に変更されるなど、『伝統』は新たな世の理に塗り潰されているかのようだ。
 国家の持つ最高級にして最高性能の兵器である以上それは当然とも言えるが、その様相はもはや従来のユーロサトリから乖離してしまっている。かつては一定の条件を満たした人やその分野のプロフェッショナルしか入ることの出来なかったユーロサトリも、現在は女性の割合が多く、まだ未成年のIS操縦者の少女が数多く見受けられた。

 そして、そんなショーを熱心に見て回るIS学園1年生が一人。

(ん〜〜……今年もミサイルコーナーの人は少ないなぁ。思う存分見れるのはいいけど得も言われぬ寂寥感があるよ)

 その名もシャルロット・デュノア。
 デュノア社社長の娘にして自他ともに認めるミサイル狂いである。
 ラファール改良や会社の様子見等を済ませて少々時間の空いていた彼女はフランスの国家代表候補性かつフランス一の軍事会社の人間であるため、ユーロサトリ入りは顔パス状態だ。

 会場を見渡してみるが、なんとも美しきミサイルと発射装置がずらりと立ち並ぶ様は圧巻だ。その4割がデュノア社製というかなり偏った比率にこそなっているが、アメリカや連合王国のミサイルもそれぞれの特色があって見る者を飽きさせない。
 更にミサイルの類似兵器ということでここに展示されているデュノア社製クラスターAP弾『グレール・タンペット』にはちょっとした人だかりが出来ている。やはりIS学園で披露した際のインパクトは各国の目を引いたようだ。コストは非常に高いが、IS産業が鰻登りの上昇を続ける今、ちょっと値段が高いからでIS武器をケチる国など殆どない。
 今年こそミサイル関連事業の投資金を回収できそうである。なにせシャルのごり押しで投資をしてきたようなものであるミサイル開発によって得られたリターンはそうめんみたいに細いものだった。

 と、その隣にあった銃器コーナーにも人だかりを発見する。あれに見えるはドイツ製重粒子砲『ドルヒ・カノーネ』だ。あれも学園のツーマンセルトーナメントで披露された品だ。イギリス製のスターライトシ
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