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レーヴァティン
第八十七話 上からの改革その十一
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「あっちの世界じゃその分でもかなり助かってるな」
「病気の心配がかなり少ない」
「それでな」
「かなりいい世界になっているな」
「だよな、本当にな」
 また言う久志だった。
「性病が治ってな」
「ペストのこともわかっている」
「他の伝染病のこともな」
 当然脚気もその中に入っている。
「これって大きいな」
「全く以てな」
「それで御前もな」
「最初からだな」
「ああ、気をつけろよ」
 梅毒等性病にというのだ。
「ならないに越したことはないからな」
「全く以てその通りだな」
「ああ、遊んでもな」
「病気にはならないことだな」
「それが大事だろ、しかし御前がな」
「女が好きということはか」
「いや、誰だってな」
 それこそともだ、久志は述べた。
「興味はあることだろうけれどな」
「相手が女でなく男の場合もあるがな」
「どっちにしろ興味はあるだろ」
 性自体にというのだ。
「そうだろ」
「それで俺にもか」
「あるのは当然だけれどな」
「一晩で何人も相手にするとはか」
「それは予想外だったな」
「安心しろ、遊郭には入るが」
 そこで遊ぶが、というのだ。
「そこ以外では女と遊ぶことはない」
「声をかけたりしてか」
「あくまで遊ぶのは遊郭だ」
 そこだけのことだというのだ。
「そこで女達と遊ぶ」
「結婚とかしないんだな」
「あちらの世界でか」
「俺みたいにな」
 起きていてもハンナの顔を思い出す、今の久志にとってあちらの世界の妻のことは決して忘れられない存在になっていた。
「そうしないんだな」
「考えたこともない」
 これが英雄の返事だった。
「一切な」
「そうなんだな」
「だが遊ぶことはだ」
 このことはというと。
「考えている」
「そうなんだな」
「今もな、それでだ」
「また遊ぶんだな」
「そうする」
 眠りに入りあちらの世界に行った時はというのだ。
「機会があればな」
「そうか、しかし遊郭とか売春宿とかな」
「そうした店はだな」
「何処でもあるんだな」
「当然だな、人間には性欲がある」
 実に淡々とした調子でだ、英雄は久志に答えた。
「それならだ」
「そうした店もあるんだな」
「人間は完全な聖者になれるか」
「それは無理だっていうんだな」
「あらゆる欲を捨てることがな」
 それがというのだ。
「出来るか。出来れば仏になるが」
 悟り、それを開いてというのだ。
「しかしそうなることは難しいな」
「それも相当にな」
「そう考えるとだ」
「そうした店があることもか」
「当然のことだ、その仏になることを目指す仏教でもな」
 この考えは小乗仏教であるとされている、自分が修行によって悟りを開き仏になろうという考えである。

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