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許されない罪、救われる心
154部分:第十四話 戻ってきたものその六
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第十四話 戻ってきたものその六

「だから」
「わかったわ。仕方ないわよね」
「いいんだね、それで」
「私が自分で決めたことだから」
 だからいいというのだった。弥生はそういう考えだった。
「それでね」
「それでだけれど」
 葉月からの言葉だった。
「城崎さん達食べてる?」
「食べてるわ」
 こう返す弥生だった。
「少しずつ量も増えてるし」
「そう、だったらいいけれどね」
「隊長も元に戻ってきてるわ」
 このことは弥生から話した。
「だからそれも安心して」
「やっぱりね。食べないとね」
「ええ」
「生きられないから」
 このことは言うまでもなかった。だがあえて話すのだった。
「けれど。食べるのも」
「如月達がしてきたことね」
「トイレでね。あれは酷過ぎたよ」
「覚えてるわ。けれどそれも」
「岩清水君達がね」
 また岩清水を見る。その如月達がトイレで神無に無理矢理食べさせている場面を携帯に出してそのうえで周りに話をしていた。
「食べ物を粗末にするな!」
「最低ね!」
「こんな奴どうとでもしてしまえ!」
「そうよそうよ!」
「同じだからね」
「いえ、もっと酷かったわ」
 弥生は今度は彼等が如月達にゴミ等を無理矢理食べさせていた場面を思い出していた。その時は自業自得と思っていた。しかしだ。
 今はだ。その考えはなかった。正反対になっていた。
「あの時は」
「ああいうことは絶対に許したらいけないね」
「私、本当に何があっても」
 意を決した顔での今の言葉だった。
「如月達守るから」
「応援するよ」
「有り難う」
 こうクラスで話をしたのだった。そうしてだ。
 如月達が登校する日が来た。彼女はまずは朝食を食べた。
 家族と一緒だ。だが会話はない。しかしそれでも家族と一緒に食べていた。
 ハムエッグとトースト、それに牛乳を食べ終えてだ。そうしてだった。
「行ってきます」
「ええ」
 母が彼女の言葉に応えた。そのうえで席を立ってそうしてだ。歯を磨き顔を洗ってだ。それから家を出る。するとそこに彼女がいた。
「おはよう」
「おはよう」
 二人で挨拶を交えさせた。それからだった。
「じゃあ行こうね」
「うん」
 弥生の言葉に頷く。それからだった。
 二人で歩いてそうしてだった。弥生が言ってきた。
「今日からね」
「そうね、また学校にね」
「ねえ、如月」
 彼女に顔を向けて。そのうえで言うのだった。周りはいつもの家々だ。だがそれはお互い目に入らずにだ。二人はお互いを見ながら話すのだった。
「何があってもね」
「学校にね」
「行こう。それで元の生活に戻ろう」
「元の生活に」
「そう、元の如月にね。戻ろう」
「戻りたい」
 実際にこう言ったのだった
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