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許されない罪、救われる心
143部分:第十三話 贖罪その六

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第十三話 贖罪その六

「私達、悪いことしたのは事実だから」
「いじめ・・・・・・」
「そのことよね」
「あのことで」
「あの全校集会でのことは逃げだったから」
 糾弾から逃れる為のものだった。如月はこのことを振り返っていた。そしてその結果どうなってしまったのかも。そのことも振り返っていた。
 そしてそのうえでだった。彼女は三人に言ったのである。
「だからね」
「それで」
「謝るのね」
「そうするのね」
「それでだけれど」
 弥生は四人に対して声をかけた。
「今度はお家に行こう」
「お家って」
「あの娘のところの」
「そう、そこに行こう」
 そこだというのだった。
「暫くしたらね」
「あの娘のお家に」
「そこになのね」
「それで謝りに行く」
「そうするのね」
 四人は弥生の言葉を受けてだ。考える顔になった。しかしそれでもだった。すぐに彼女に対してこう答えたのだった。
「わかったわ」
「私達、そうしないといけないから」
「やってしまったことは確かだし」
「だから」
 そうだとだ。如月も文月も霜月もだ。長月もだ。四人はそれぞれ言った。
 そしてだった。あらためて弥生に話した。
「行くわ」
「絶対に」
「有り難う」
 弥生は四人の返事を聞いて静かに頷いた。
「それじゃあね」
「うん、それで何時行くの?」
 如月が彼女に尋ねた。
「それは何時にするの?」
「時間を見て」
 はっきりした時間は今は言わなかった。
「その時にね。行こう」
「ええ、それじゃあ」
「その時なったら連絡するから」
「その時になの」
「そう、その時に」
 連絡すると話すのである。
「一緒に行こう」
「弥生も行ってくれるの?」
「一緒になの」
「友達だから」
 だからだというのだ。
「今の皆放っておけないから」
「だから来てくれるのね、一緒に」
「そうなの。だから」
「有り難う、本当に」
 こう話してであった。そして数日後だった。
 弥生が連絡してだ。四人は集まった。
 場所は駅前だった。まずはそこだった。
 雨が降っていた。しかしそれでもだ。五人はそこにいたのだ。まずは弥生が四人に対して言った。
「それじゃあね」
「ええ、今からよね」
「行くのよね」
「いいわよね、それで」
 四人に問うた。
「今から」
「ええ」
 最初に頷いたのは如月だった。

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