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レーヴァティン
第八十七話 上からの改革その二
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「若しも黒胡椒がなかったら」
「出来ないな」
「もうそれでね」
「カルボナーラってな」
 今テーブルの上にあるパスタはボロネーゼのスパゲティとペンネアラビアータそれにラザニアだ。カルボナーラはない。だが胡椒を使うのであえて言ったのだ。
「卵と生クリームとな」
「ベーコンとね」
「それで黒胡椒もないとな」
「美味しくないからね」
「ああ、だからな」
「そう、黒胡椒は絶対だよ」
「若し黒胡椒がないのにカルボナーラ作っても」
 久志はその場合について述べた。
「何か違うな」
「そうだよね」
「些細な様でな」
「重要なことだよね」
「ああ、カルボナーラは黒胡椒もないとな」
 それこそというのだ。
「駄目だぜ」
「だから胡椒がない時代だとね」
「カルボナーラなんて想像も出来ないな」
「そうだよ、だからね」
「どれだけ胡椒が大事かだな」
「料理にとってね」
「どの料理も普通に使ってるしな」
 今自分達が食べているこの島のローマの料理ではというのだ。
「胡椒があるって有り難いな」
「本当にそうだね」
「ああ、胡椒があるだけでな」
 もっと言えば香辛料全体がだ。
「随分違うな」
「お料理がね」
「肉料理にしろカルボナーラにしろ」
「胡椒がないとね」
「お話にならないな」
「本当にね」
 二人でこんなことを話しつつだ、久志は飲んで食べた。そしてその中で今度は進太に言われたのだった。
「ローマの国家元首になったでござるが」
「ああ、権限握ったな」
「その権限を以てローマをさらに掌握してでござる」
「力をつけて」
「そうして他の地域に進出するでござるが」
「それには官僚機構を整備してな」
 そうしてというのだ。
「統治しやすくしてな」
「そしてでござるよ」
「色々な勢力も組み込んで」
「軍隊も整えるでござる」
「ローマって傭兵がいるけれどな」
「常備軍は存在しないでござる」
「それだよ」
 まさにとだ、久志は進太に応えて言った。
「ここには常備軍がないんだよ」
「それが問題でござる」
「だったらな」
「以前から話している通りにでござる」
「傭兵を雇ってな」
「ただの一時採用ではなくてでござる」
「常に雇ってるな」
 ここでもこう言う久志だった。
「常備軍にしような」
「そしてでござる」
「常備軍の武力も背景にして」
「ローマをこの島の拠点になる様な街にするでござる」
「島の統一のはじまりの力になる様なな」
「そうしていくべきでござる」
「そうだな、改革を行おうにも」
 ローマをこの島の一つの地域ではなく島の中心そして久志達の島の統一の最初の足掛かりになる場所にするという意味だ。
「武力がないとな」
「徒手空拳で何が出来るか」
「出来る筈がな
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