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ドリトル先生と日本の鉄道
第六幕その二
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「違う意味だよ」
「どういう意味かな、それは」
「だから紳士である以前のことだよ」
「僕は紳士でありたいと思っているんだけど」
「そういうことじゃないんだ」
「というと?」
「そこは先生自身で気付かないと」
 とてもというのです。
「駄目なんだよ」
「そうなんだね」
「まあとにかく行ってきてね」
「最後までね」
「日笠さんと一緒にいてね」
「怒らせるなんてもっての他だよ」
「まあ先生が誰かを怒らせることはないけれど」
 動物の皆も言います。
「服装はいつも通りしっかりしてるし」
「靴も磨いたしね」
「清潔にしているし」
「大丈夫よ」
「それじゃあ先生行ってきて下さい」
 トミーも先生に言います。
「今日は僕達のことは忘れていいですからね」
「忘れていいんだ」
「はい、日笠さんのことだけを考えて下さい」
 こう言ってトミーも先生の背中を言葉で押しました、それ以上に日笠さんのことを応援しながら。そしてです。
 先生はお一人で鉄道博物館の前まで行きました、するとそこにはもういつもよりもいい服を着てメイクをしている日笠さんが待っていました。
 日笠さんは先生に気付くとです、ご自身から声をかけました。
「先生、おはようございます」
「おはようございます。ただ」
「ただ?」
「あの、僕は開館五分前にここに来たんですが」
 先生は女性を待たせてはいけないと思いそうしたのです。
「ですが」
「私の方がですか」
「先に来られているとは」
「時間を間違えまして」
 真実を隠して答えた日笠さんでした。
「ですから」
「それで、ですか」
「お気になさらずに」
 こう先生に言います。
「このことは」
「そうですか」
「はい、それではですね」
「開館しましたら」
「中に入って」
「二人で色々観て回りましょう」
「それでは。そういえば私は」
 日笠さんは先生にあらためて言いました。
「動物園で働いていて生物のことには詳しいですが」
「鉄道のことはですか」
「学生時代研修でここに来たことはありますが」
 それでもというのです。
「それだけです」
「鉄道博物館に入ったことはですね」
「はい、本当に」
「ではですね」
「久し振りに観て回りますし」
 それにというのです。
「先生もご一緒ですから」
「僕がですか」
「嬉しいです」
「では期待に応えまして」
 先生は必死なお顔の日笠さんに温和な笑顔で応えました。
「僕も案内させて頂きます」
「そうしてくれますか」
「鉄道の専門家ではないですが」
 それでもというのです。
「知識の限りです」
「説明や紹介をですね」
「させて頂きます」
「では宜しくお願いします」
 日笠さんは先生に強く言いました、こうしてで
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