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レーヴァティン
第八十六話 票田その十

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「何度かあって」
「その結果か」
「そうなったとのことです」
「成程な、じゃあ今回の選挙もか」
「大丈夫かと」
 不正はないというのだ。
「ご安心下さい」
「そうか、じゃあな」
「はい、ですから」
「後はだよな」
「投票が終わって開票が行われ」
 そうしてというのだ。
「結果が発表される」
「その時にか」
「喜びましょう」
「そうだよな、当選したら」
 久志もその時のことを話した。
「飲むか」
「勝利の美酒ですね」
「ああ、それを飲んでな」
 笑顔で言うのだった。
「皆で楽しもうな」
「乾杯ですね」
「それが俺の事実上の旗揚げだよ」
「ローマにおいての」
「ああ、そしてな」 
「そのローマを拠点としてですね」
「島の統一はじめるぜ、ローマの周りもな」 
 その近辺もというのだ。
「どんどんな手に入れていきますね」
「そうするぜ、つまり当選した時に飲む酒はな」
「それはですね」
「はじまりの酒だよ」
 それになるというのだ。
「勝利の美酒と共にな」
「そうなりますか。では」
「ああ、楽しみだぜ」
 その酒を飲む時がとだ、久志は笑顔で言った。
「本当にな」
「わかるのは数日後ですね」
「一週間後だったな」
「では」
「その時まで待つか」
「そうしましょう」
「こっちの選挙は技術的にか」
 この問題でとだ、久志は考える顔になって述べた。
「開票してもすぐにわからないんだな」
「その様ですね」
「というか投票所一つ一つで開票して」
 そして票を数えてというのだ。
「一つにまとめるとかしたらな」
「結果がわかる時間が短くなりますか」
「そうなるけれどな」
 こう言うのだった。
「それがか」
「変わりましたね」
「そうだよな、しかしな」
「それでもですか」
「今言っても仕方ないな」
「そこはこれからですね」
「変えないとな、というか全部の票を一旦一つにして」
 そしてというのだ。
「それで票数えるとな」
「手間がかかりますか」
「ああ、個々の投票所で数えて」
「その結果をまとめることですか」
「俺の世界じゃそうしてるんだけれどな」
「ではそちらで」
「選挙の票数えやるか」
 久志が当選したならというのだ。
「それも改革だな」
「では」
「ああ、それじゃあな」 
 久志も頷いてだ、そのうえでだった。
 今は待つことにした、そして一週間後久志は有効票の八割以上という圧倒的な得票を得て護民官に当選した。


第八十六話   完


                  2018・10・15
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