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ドリトル先生と日本の鉄道
第五幕その五
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「ああしてね」
「楽しむ人達も出て」
「ロマン、そして生きがいにさえなっている」
「それはね」
「素晴らしいことだよね」
「そうだね、しかし彼等の情熱に勝てるものは」
 今度は唸って言う先生でした。
「果たして僕にあるかな」
「あるよ、先生にも」
「ちゃんとね」
「僕達が保証するよ」
「先生にも凄い情熱があるよ」
「そうかな」
 そう言われるとピンとこない先生でした、ですが。
 その先生にです、皆は言いました。
「学問だよ」
「学問全体への情熱だよ」
「先生はそれが凄いよ」
「誰にも負けていないよ」
 そうだというのです。
「それこそね」
「学問についてはだよ」
「誰にも負けていないよ」
「そう言い切れるよ」
「そうかな。僕はあそこまではね」
 今鉄道に情熱を向けている彼等程はというのです。
「情熱はないと思うけれど」
「なかったらここまでなっていないよ」
「幾つもの分野で博士号持っていないから」
「論文も書き続けていないよ」
「絶対にね」
「そうかな」
 そう言われてもまだ言う先生でした。
「僕は熱い人間じゃないけれど」
「いやいや、確かに先生は熱いタイプじゃないよ」
「熱いっていうか暖かい」
「そんな人だけれどね」
「情熱はあるよ」
「しっかりとね」
「だから学問を続けているんじゃない」
 今の様にというのです。
「だったらだよ」
「あの子達にも負けていないわ」
「絶対にね」
「ただしね」
 ここで皆は先生にこうも言いました。
「先生はね」
「どうしても気付かないものがあるから」
「それが問題なんだよね」
「僕達にしても」
「困りものだよ」
「気付かないことは気付かないとね」
 その気付かないことが何かということに気付かないまま言う先生でした。
「学問は進まない場合があるよ」
「いや、そうだけれどね」
「それは学問だけじゃないから」
「先生の場合は」
「学問のことは気付くじゃない」
「いつも細かいところまで観ているから」
 こと学問においてはそうなのです。
「けれどね」
「他のことでだよ」
「気付かないから」
「いい加減って思いながら」
「いつも焼きもきよ」
「果たして何のことか」
 本当に気付かない先生です。
「わからないけれど」
「そうだよね」
「先生はそうした人だね」
「こうしたことに関しては」
「何があっても気付かないから」
「何かな。そういえば」
 ここでふと思い出したことがあった先生でした。
「今日日笠さんからメールあったよ」
「あっ、それはまたいいね」
「日笠さんやるね」
「いつも頑張ってるわね」
「応援したくなるよ」
「鉄道博物館に行ったことをメールでお話したら」
 そうしたらとい
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