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レーヴァティン
第八十五話 護民官その八

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「このことは」
「そうか、こっちの世界ではそうした政策はないか」
「よく我々の日本では批判される政策ですが」
「土建屋を儲けさすだけだとか言ってな」
 久志は不動産業者をあえて侮蔑する様な言葉で言ったがこれはむしろ批判するテレビのコメンテーターなりを批判しての言葉だ。
「それで批判されてるな」
「しかしインフラの充実と雇用、経済の活性化を考えますと」
「有効な政策であることはな」
「やはり事実です」
「それでだよな」
「はい、ですから」
 それでと言うのだった。
「この世界でもです」
「導入すればか」
「かなりです」
「いいんだな」
「効果が期待されているので」
「そうなんだな、けれど実際にな」
 この公共事業を積極的に推進する政策はというのだ。
「やっていくぜ、堤防も運河も必要に応じて造ってな」
「道もだね」
 剛も言ってきた。
「整えるね」
「それもな、というか道はな」
「絶対にだね」
「勢力を拡げるのと一緒にな」
「整えていくね」
「川には橋を架けてな」
 橋のことも話すのだった。
「全ての道はローマに通ずって言うけれどな」
「こっちの世界のローマでもだね」
「そうしてな」
「人の行き来をよくして」
「そして軍隊の動きもな」
 そちらもというのだ。
「素早く出来る様にしような」
「まさに全ての道はローマに通じ」
「今だってそうだけれどな」
「道をもっとよくして」
「よりそうしていくぜ」
「それがいいね、じゃあまずは」
「選挙進めていくか、ただ」
 ここでだ、久志は考える顔になってこうも言った。
「何か選挙を順調に進めていくとな」
「うん、対立候補がね」
 今度は淳二が応えた。
「何かしてくるかもね」
「スキャンダル探したりな」
「あとはね」
「暗殺とかな」
「スキャンダルはないけれど」
 それでもとだ、淳二は久志に明るいが確かな口調で話した。
「それでもね」
「だよな、それがなくてもな」
「でっちあげることは出来るよ」
 事実無根、それでもというのだ。
「それはね」
「そうなんだよな」
「まあ事実無根ならね」
「やがてはか」
「消えるけれどね」
 例えスキャンダルとして喧伝されていてもというのだ。
「それでもね」
「選挙に響くな」
「実際お金ばら撒いてるし」
「裏工作もしてるしな」
「相手がしてても」
「自分のことには知らん振りもな」
「それも政治だからね」
 この世界の常だというのだ。
「そうしたこともしてくるよ」
「ってことはな」
「そこはおいらがやってるけれど」
 裏工作は淳二が担当している、彼はこちらでかなり上手くやって味方即ち票田をより拡大していっている。
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