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こくり婆
第五章
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 だがそんな話をしつつ楽しく食べている二人のヨコにだ。
 やけに痩せて乱れた短い白髪で皺だらけの顔にギョロリとした目の老婆が来た、その老婆は着物だったがその着物も古い感じだった。
 その老婆は二人の横の席に来た、そしてだった。
 ラーメンを注文すると一瞬で一杯食べた、箸が動いたかと思うとまさに麺はなくなっていてスープも丼を両手に持ってすぐにチャーシューも薬味も全てだった。
 食べていた、二杯目を注文してそれも一瞬で食べ三杯目も四杯目もだ。
 どんどん食べて二十杯食べた後で勘定を払って何処かへと去って行った。二人はその老婆を唖然となって見ていたが。
 自分達のラーメンを食べてからだ、二人が一緒に住んでいるマネージャーのマンションの部屋に帰ってこのことを話した。
 するとだ、マネージャーは二人にこう言った。
「そのお婆さん妖怪ね」
「あっ、やっぱり」
「やっぱりそうでしたか」
「ええ、こくり婆ね」
 二人に妖怪の名前も話した。
「それは」
「何か怖そうな名前ですね」
「どうにも」
「まあ人を食べるとか死体を貪るとかね」
 マネージャーもこうした話を出した。
「怖い話はあるわね」
「やっぱりそうですか」
「何か怖そうな外見でしたけれど」
「目がぎょろって出てて」
「身体が異常に痩せていて」
「何かお寺の奥さんでご主人が先立たれて」
 そしてと言うのだった。
「ご主人を想う気持ちがああなったね」
「そうした妖怪ですか」
「何か青頭巾みたいなお話ですね」
「あっ、雨月物語ね」
「上田秋成のね」
 マリンはこうリィナに応えた、二人共この作家が大阪にいたことから知っているのだ。二人は大阪通アイドルとしても知られているのだ。
「あのお話みたいよね」
「ゾンビというかね」
「ええ、ただどうも最近のあの妖怪は」
 そのこくり婆はとだ、マネージャーは二人に話した。
「人を襲わないみたいね、それでね」
「屋台とかで、ですか」
「ラーメン食べてるんですか」
「屋台の人も別に反応してなかったでしょ」
 このこともだ、マネージャーは二人に話した。
「別に」
「普通でしたね」
「それも全然」
「あからさまに妖しかったですか」
「妖怪っぽかったのに」
「もう慣れてるのよ。元々大阪はお寺多くてね」
 特に上本町の方に多い、豊臣秀吉が一ヶ所に集めて多くの寺を一度に治めやすい様にしたのだ。それが今も街に残っているのだ。
「それでねあの辺りにもあるから」
「というか大阪ってお寺も神社も多いですね」
「どっちも多いですね」
「あと天理教の教会も多いですね」
「大阪城には太閤さんの神社もあるし」
「だからね」
 それでと言うのだった。
「あの妖怪はお寺にいる妖怪で」
「ああしてですか」
「お寺
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